判旨
被告人の自白に関する証拠調べの順序について、他のすべての証拠の取調べを終えた後に行うべきであるとの主張は認められず、第一審の手続に違法はない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟手続において、被告人の自白に関する証拠調べを他の証拠の取調べよりも後に行うべきかという、証拠調べの順序の適法性が問題となった。
規範
刑事訴訟法上、被告人の自白に関する証拠の取調べ順序について、他の犯罪事実に関する証拠の取調べをすべて終えた後に行わなければならないという法的制約は存在しない。
重要事実
被告人が刑事裁判の第一審において、自白に関する証拠の取調べ順序が不当であると主張した事案である。弁護人は、自白の証拠調べは他のすべての証拠の取調べが終わった後になされるべきであり、本件第一審の手続には違法があると主張して上告した。
あてはめ
本判決は、原審(二審)の判断を維持し、第一審の手続に所論のような違法はないと判示している。これは、裁判所の訴訟指揮権に基づき、証拠調べの順序は相当な範囲で裁量に委ねられており、自白を最後に行うべきという一律の義務を課す規定は存在しないことを前提としていると解される。
結論
被告人の自白に関する証拠調べの順序に関する主張は、訴訟法違反には当たらず、第一審の手続は適法である。
実務上の射程
証拠調べの順序に関する訴訟指揮の適法性を肯定する際の根拠として利用できる。特に自白の証拠調べ時期について、弁護側が予断排除等の観点から異議を述べた場合でも、裁判所の裁量を広く認める判例として位置づけられる。
事件番号: 昭和27(あ)5472 / 裁判年月日: 昭和29年3月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】検察官が自白調書を他の証拠と一括して取調べ請求したとしても、自白調書よりも前に他の証拠が取調べられたのであれば、その請求は違法ではない。また、その際、裁判所が被告人または弁護人に意見を求めるにあたり、自白調書と他の証拠を区別せず一括して意見を求めても違法ではない。 第1 事案の概要:検察官が、被告…
事件番号: 昭和22(れ)295 / 裁判年月日: 昭和23年4月17日 / 結論: 棄却
裁判所は刑事訴訟法第三四二條のような特別の規定に該當する場合は別として、其の他の場合に於ては自由に證據調の限度を定めることが出來るのであつて集取されてある一切の證據に付て其の取調をしなければならないものでない。記録に依れば、原審に於て裁判長が被告人に對し押收品の棒(證第一號)を示した形跡がないことは辯論の通りであるが、…