判旨
被告人が公訴提起後に死亡したことが明らかになった場合、裁判所は刑事訴訟法に基づき、決定をもって公訴を棄却しなければならない。
問題の所在(論点)
公訴提起後、実体判決が下される前に被告人が死亡したことが判明した場合、裁判所はどのような裁判をすべきか。
規範
公訴提起後の被告人の死亡は、刑事訴訟法339条1項3号に定める公訴棄却決定の事由となる。公訴提起後の実体審理を継続するための前提条件である「被告人の存在」が欠けるため、手続を打ち切るべきものとされる。
重要事実
被告人A(真実の氏名はC)は、偽の金銭寄託を装い現金1万9千円を騙取した詐欺等の公訴事実により起訴された。しかし、本件記録に綴られた死亡診断書や戸籍謄本等の証拠資料によれば、被告人Cは判決前の昭和26年1月30日に死亡していたことが認められた。
あてはめ
本件において、公訴事実の対象となっている被告人Aの正体はCであり、Cが昭和26年に死亡した事実は、医師の作成した死亡診断書や戸籍謄本、指紋カード調査回答等の確実な証拠によって認められる。被告人が死亡した以上、訴訟条件が欠けており、本案について有罪・無罪の審判を行うことはできない。
結論
被告人が死亡したときに該当するため、刑事訴訟法414条、404条、339条1項3号を適用し、公訴を棄却する。
実務上の射程
刑事手続における当事者能力の喪失に伴う手続終了の形式を示すものである。答案上は、被告人が死亡した場合に「公訴棄却判決(338条4号)」ではなく「決定(339条1項3号)」によるべきであるという形式的処理の使い分けに留意する際に参照される。
事件番号: 昭和26(あ)1360 / 裁判年月日: 昭和26年8月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が単なる事実誤認または量刑不当の主張に帰する場合、刑事訴訟法405条の上告理由に該当しないため、上告は棄却される。 第1 事案の概要:被告人および弁護人が、原審の判断に対し、事実誤認および量刑不当を理由として最高裁判所に上告を提起した事案である。 第2 問題の所在(論点):被告人および弁護…
事件番号: 昭和59(あ)1566 / 裁判年月日: 平成元年1月30日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】被告人が上告提起後に死亡した場合、裁判所は刑訴法414条、404条、339条1項4号に基づき、決定で公訴を棄却すべきである。 第1 事案の概要:殺人、恐喝未遂、恐喝被告事件について福岡高等裁判所が言い渡した有罪判決に対し、被告人が上告を申し立てた。しかし、上告審の記録中に含まれる除籍謄本によれば、…