いわゆる別府三億円保険金殺人事件の上告審結果(被告人死亡による公訴棄却)
判旨
被告人が上告提起後に死亡した場合、裁判所は刑訴法414条、404条、339条1項4号に基づき、決定で公訴を棄却すべきである。
問題の所在(論点)
上告提起後、判決確定前に被告人が死亡した場合、上告裁判所はどのような裁判を行うべきか。刑事訴訟法339条1項4号の適用が問題となる。
規範
刑事訴訟において被告人が死亡したときは、訴訟条件が欠けることになるため、裁判所は決定をもって公訴を棄却しなければならない(刑事訴訟法339条1項4号)。この規定は、上訴審の審判手続においても準用される(同法414条、404条)。
重要事実
殺人、恐喝未遂、恐喝被告事件について福岡高等裁判所が言い渡した有罪判決に対し、被告人が上告を申し立てた。しかし、上告審の記録中に含まれる除籍謄本によれば、被告人は平成元年1月13日に死亡したことが判明した。
あてはめ
本件において、被告人は上告提起後の平成元年1月13日に死亡しており、適法に除籍謄本によってその事実が証明されている。被告人の死亡により刑事責任を追及すべき対象が消滅したといえる。したがって、刑訴法339条1項4号に定める「被告人が死亡した」ときに該当するため、同条に基づき公訴を棄却するのが相当である。
結論
本件公訴を棄却する。
実務上の射程
刑事訴訟における当事者能力の喪失に伴う訴訟終了事由を示す典型例。実務上、被告人の死亡が確認された場合は、実体的な審理を継続せず、直ちに決定で公訴棄却とする手続的帰結を確認する際に参照される。答案上は、訴訟条件の存否が問題となる場面で、死亡が判明した際の形式的裁判の根拠として用いる。
事件番号: 昭和26(あ)1067 / 裁判年月日: 昭和26年6月8日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】被告人が公訴提起後に死亡したことが明らかになった場合、裁判所は刑事訴訟法に基づき、決定をもって公訴を棄却しなければならない。 第1 事案の概要:被告人A(真実の氏名はC)は、偽の金銭寄託を装い現金1万9千円を騙取した詐欺等の公訴事実により起訴された。しかし、本件記録に綴られた死亡診断書や戸籍謄本等…
事件番号: 平成1(す)22 / 裁判年月日: 平成元年3月13日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】被告人が上告審において死亡した場合には、裁判所は決定をもって公訴を棄却しなければならない。 第1 事案の概要:被告人が平成元年2月16日に死亡したことが、村長認証の戸籍謄本によって確認された。本件は最高裁判所に係属中の事案であった。 第2 問題の所在(論点):上告審において被告人が死亡した場合の裁…