判旨
単に寛大な処分を求めるという主張は、刑事訴訟法(旧法含む)が定める適法な上告理由には当たらない。したがって、量刑不当のみを理由とする上告は棄却されるべきである。
問題の所在(論点)
被告人が単に「寛大な処分を求める」旨を主張することは、刑事訴訟法上の適法な上告理由(特に旧刑事訴訟法446条に関連する適法性)を構成するか。
規範
上告審は法律審であり、上告理由は刑事訴訟法に規定された事由(憲法違反、判例違反、重大な事実誤認、著しい量刑不当等)に限定される。単なる情状による寛大な処分の請求は、これら法定の上告理由のいずれにも該当しない。
重要事実
被告人両名は、原判決の刑を不服として上告した。上告趣意書において主張された内容は、いずれも自己の境遇や反省の態度等を踏まえて「寛大な処分を求める」という点に尽きていた。
あてはめ
本件において被告人が申し立てた上告趣意は、具体的な法の適用誤りや著しい量刑不当を論理的に指摘するものではなく、単に主観的な情状を挙げて刑の軽減を請うものである。このような主張は、上告審が審査対象とする法定の不服申立理由の枠組みを逸脱している。したがって、実質的な上告理由を欠く不適法なものと評価せざるを得ない。
結論
被告人両名の上告を棄却する。単に寛大な処分を求める主張は、適法な上告理由に当たらない。
実務上の射程
刑事実務において、量刑不当を理由に上告する場合には「刑の量定が著しく不当であること」を具体的に示す必要があり、単なる嘆願に近い主張では門前払い(上告棄却)となることを示している。司法試験においては、上告受理の要件や上告理由の限定性を論じる際の基礎知識として機能する。
事件番号: 昭和25(れ)1129 / 裁判年月日: 昭和25年11月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】犯行の動機や諸般の事情を述べて寛大な処置を求める主張は、適法な上告理由に当たらない。 第1 事案の概要:被告人が犯行の動機その他の事情を列挙し、それらに基づき寛大な処置を求めて上告を申し立てた事案。 第2 問題の所在(論点):犯行の動機その他の事情に基づき寛大な処置を求める主張が、適法な上告理由と…
事件番号: 昭和25(れ)1432 / 裁判年月日: 昭和25年12月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】量刑の不当を主張する上告趣意は、原審の裁量権に属する事項を非難するものにすぎないため、適法な上訴理由とはならない。 第1 事案の概要:被告人らに対し実刑を言い渡した原審の判断に対し、弁護人はその量刑が不当であるとして上告を申し立てた。具体的事案の内容については判決文からは不明。 第2 問題の所在(…