判旨
犯行の動機や諸般の事情を述べて寛大な処置を求める主張は、適法な上告理由に当たらない。
問題の所在(論点)
犯行の動機その他の事情に基づき寛大な処置を求める主張が、適法な上告理由となるか。
規範
旧刑事訴訟法446条(現行刑事訴訟法405条等に対応)に基づき、上告審における適法な上告理由となるためには、憲法違反や判例違反などの特定の事由が必要であり、単なる量刑不当の主張は原則として適法な理由を構成しない。
重要事実
被告人が犯行の動機その他の事情を列挙し、それらに基づき寛大な処置を求めて上告を申し立てた事案。
あてはめ
被告人の主張は、犯行の動機やその他の事情を述べて寛大な処置を願うという点に尽きる。これは実質的に単なる量刑の不当を訴えるものにすぎず、法律上の上告理由として限定されている事由のいずれにも該当しない。
結論
被告人の主張は適法な上告理由とならないため、本件上告は棄却されるべきである。
実務上の射程
上告審の構造が法律審であることを示す典型例であり、答案上は刑事訴訟法の上告理由の限定性について論じる際に、単なる情状による量刑不当の主張は門前払いされるという文脈で引用可能である。
事件番号: 昭和25(れ)940 / 裁判年月日: 昭和25年12月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】単に寛大な処分を求めるという主張は、刑事訴訟法(旧法含む)が定める適法な上告理由には当たらない。したがって、量刑不当のみを理由とする上告は棄却されるべきである。 第1 事案の概要:被告人両名は、原判決の刑を不服として上告した。上告趣意書において主張された内容は、いずれも自己の境遇や反省の態度等を踏…