憲法の精神に反することに名を藉りて、量刑不當の主張をすることは、上告適法の理由とならないところである。
憲法違反に名を藉りて量刑不當を主張する上告の適否
刑訴應急措置法13條2項,舊刑訴法409條
判旨
憲法違反を主張の根拠としつつ、その実態が単なる量刑不当の主張にすぎない場合は、適法な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
憲法違反を形式上の理由として掲げながら、実質的に量刑不当を訴える上告趣意が、適法な上告理由(刑事訴訟法405条等参照)として認められるか。
規範
上告趣意において憲法違反が主張されている場合であっても、その実質が単なる量刑不当の主張にすぎないときは、刑事訴訟法(旧法・施行法含む)上の適法な上告理由とは認められない。
重要事実
被告人が、原判決の量刑が不当であることを理由として上告を申し立てた。その際、形式的には憲法の精神に反する旨の主張を伴っていたが、内容としては量刑の当否を争うものであった。
あてはめ
本件における上告趣意は、憲法の精神に反することを名目にしている。しかし、その主張を精査すると実質的には量刑が不当であるという点に帰着する。憲法違反という形式を借りたとしても、実質が量刑不当の主張である以上、上告理由として構成された適法な不服申し立てとは評価できない。
結論
本件上告は不適法であり、棄却される。
実務上の射程
司法試験等の答案においては、上告理由の適格性について論じる際に活用できる。形式的な主張内容に拘泥せず、その実質が法律上の上告理由(憲法違反・判例違反)に該当するかを判断すべきとする趣旨。ただし、本判決は極めて簡短なため、現行刑事訴訟法405条各号の趣旨と併せて論じるのが一般的である。
事件番号: 昭和25(れ)1253 / 裁判年月日: 昭和25年12月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】量刑の不当のみを主張する上告は、刑事訴訟法施行法2条および旧刑事訴訟法446条の規定に基づき、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人の弁護人が、原審における量刑が不当であることを理由として上告を申し立てた事案である。判決文には犯罪事実の詳細は記載されていない。 第2 問題の所在(…