判旨
裁判所がどの程度の範囲で証拠調べを行うかは、裁判所の自由な裁量に属する事項である。原審が適法に行った量刑の判断および証拠調べの範囲を不服とする上告は、適法な理由とならない。
問題の所在(論点)
裁判所が行うべき証拠調べの範囲(程度)が、裁判所の裁量に属するか。また、量刑判断の妥当性や証拠調べの範囲への不服が、適法な上告理由となるか。
規範
裁判所がいかなる程度において証拠調べをなすべきかは、裁判所の自由裁量に属する事項である。
重要事実
被告人が量刑に対する不当を訴え、上告した事案。弁護人は、原審が特定の被告人の供述を量刑の資料とした点や、証拠調べの不十分さを主張したが、原審において当該供述を量刑資料とした事実は認められなかった。また、証拠調べの範囲が適切でなかったとの不服が示された。
あてはめ
本件において、原審が被告人の供述を量刑の資料とした事実は認めるべき資料がない。また、証拠調べの範囲については裁判所の自由裁量に属するものであるところ、原審の判断に違法な点は認められない。したがって、量刑や証拠調べの程度に対する非難は、いずれも適法な上告理由に当たらないと評価される。
結論
本件上告を棄却する。量刑への不満や証拠調べの範囲に関する裁量内の事項は、適法な上告理由とはならない。
実務上の射程
刑事訴訟において、裁判所が採用する証拠の範囲や調査の程度は広範な裁量を有することを示す判例である。実務上、証拠調べの必要性がないとして却下された場合に、直ちに手続違背を主張することの困難さを裏付けるものといえる。
事件番号: 昭和23(れ)27 / 裁判年月日: 昭和23年4月1日 / 結論: 棄却
執行猶豫の言渡をするかしないかは、事實審である原審が諸般の情状を考慮して決する自由裁判の問題であつて、當裁判所では他に原判決を破毀するに足る理由があつて事件につきあらたに裁判を仕直す場合でなければ執行猶豫の言渡をすることはできないのである。