判旨
被告人が適法な召喚を受けながら正当な理由なく公判期日に出頭しない場合、弁護人が出頭して審理がなされたとしても、その審判手続に違法はない。
問題の所在(論点)
被告人が正当な理由なく公判期日に欠席し、弁護人のみが出席して審理が行われた場合、その審判手続は刑事訴訟法上(本件は旧刑訴法下)適法といえるか。
規範
被告人が適法に召喚され、かつ正当な理由なく公判期日に出頭しない場合において、弁護人が出頭して審理が行われ、その後に被告人が出頭して判決が言い渡されるという経過を辿る審判手続は、適法なものとして許容される。
重要事実
被告人は、原審の第1回から第3回の公判期日に向けて、それぞれ数ヶ月から数週間前に適法な召喚状の送達を受けていた。しかし、被告人はいずれの期日にも正当な事由なく出頭しなかった。第3回公判期日には弁護人のみが出頭して審理が実施され、異議なく弁論が終結した。その後、第4回公判期日に被告人が出頭し、判決の言渡しが行われた。
あてはめ
本件では、被告人に対し第1回から第3回までの各公判期日について、十分な余裕をもって適法な召喚状が送達されている。それにもかかわらず、被告人は「正当な事由なくして」これらすべての期日に出頭していない。第3回期日においては、弁護人が出頭して適法に審理がなされ、異議なく弁論が行われていることから、被告人の防御権や手続的保障が不当に侵害されたとはいえない。最終的に第4回期日には被告人自身が出頭して判決を受けているため、一連の手続に違法は認められない。
結論
被告人が適法な召喚を無視して出頭しない状況下で、弁護人の出席により審理を進めた原審の判断に違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
被告人の欠席裁判(特に控訴審)における手続の適法性を判断する際の基礎的な先例となる。現行刑事訴訟法286条の例外(同法286条の2、391条等)を検討するにあたり、適法な送達と正当な理由のない欠席という要件充足を確認する際の論理構成として活用できる。
事件番号: 昭和24(れ)1474 / 裁判年月日: 昭和24年8月9日 / 結論: 棄却
一 訴訟手續に關する法規が改正された場合に新法を如何なる時から如何なる事件に適用するかは、經過法の立法に際して諸般の事情を勘案して決せらるべき問題であつて、法律に一任されているのである。(昭和二三年(れ)第一五七七號、同二四年五月一八日當裁判所大法廷判決参照) 二 刑訴應急措置法第一三條第二項は、上告に際し、人種、信條…
事件番号: 昭和25(れ)669 / 裁判年月日: 昭和27年12月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公判が15日以上開廷されないまま更新されなかった手続の適法性、および麻薬取締規則施行前の所持が適法であっても施行後に免許なく所持する行為が刑罰の対象となるかが争われ、いずれも適法と判断された。 第1 事案の概要:被告人AおよびBは、昭和21年6月19日から翌年4月16日までの間、麻薬取扱者の免許を…
事件番号: 昭和25(あ)1207 / 裁判年月日: 昭和26年5月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本決定は、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらない場合に上告を棄却する判断を示したものである。 第1 事案の概要:被告人および弁護人が上告を申し立てた事案。具体的な公訴事実や下級審の判断内容については、本判決文(決定文)からは不明である。 第2 問題の所在(論点):被告人および弁護人が主張する上告…