判旨
判決に事実誤認や量刑不当の主張があっても、記録上明らかな事実に反しない限り、適法な上告理由にはならない。
問題の所在(論点)
原判決における客体数量や犯行日時の認定が客観的記録と整合しているか、および量刑不当の主張が適法な上告理由となるか。
規範
上告審において、判決に記載された犯罪の日時や盗難被害物件の数量が記録上の証拠(盗難届等)と合致しており、特段の矛盾が認められない場合には、事実誤認の主張は理由がない。また、単なる量刑不当の主張は、刑事訴訟法上の適法な上告理由を構成しない。
重要事実
被告人AおよびBは、粳玄米7俵、裸麦7俵、大麦2俵を盗んだとされる窃盗事件に関し、原判決が認定した被害数量や犯罪日時に誤りがあるとして上告した。また、原判決の量刑が不当であることも主張の根拠とした。
あてはめ
本件では、原判決が認定した粳玄米等の数量は、被害者Cが提出した盗難届の記載内容と完全に一致しており、認定に合理性があるといえる。また、犯罪日時についても原判決に「同月二十一日」と明記されており、記録上明白である。量刑不当の主張については、旧刑事訴訟法446条の枠組みにおいても適法な上告理由に当たらないと解される。
結論
本件各上告を棄却する。原判決の事実認定に誤りはなく、量刑不当の主張も失当である。
実務上の射程
本判決は、事実認定の基礎となる客観的証拠(盗難届等)との整合性が保たれている場合の事実誤認主張の排斥、および量刑不当が上告理由にならないという実務上の原則を確認するものである。
事件番号: 昭和26(あ)2354 / 裁判年月日: 昭和26年10月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】単なる量刑不当または事実誤認の主張は、刑事訴訟法405条所定の上告理由に当たらない。 第1 事案の概要:被告人および弁護人が、原判決の事実認定に誤りがあること、および量刑が重すぎて不当であることを理由として上告を申し立てた事案である。判決文からは具体的な犯罪事実の詳細は不明である。 第2 問題の所…