判旨
刑の量定は、事実審の裁量権の範囲に属する事項であり、適法に決定された量刑を不当として非難することは上告理由にはならない。
問題の所在(論点)
事実審が裁量によって決定した量刑の不当を理由として、上告を申し立てることは認められるか。
規範
刑の量定(量刑)は、事実審たる原裁判所の広範な裁量に委ねられている。したがって、その裁量権の範囲内で適法になされた量刑の当否を争うことは、法律審である上告審において適法な上告理由とはならない。
重要事実
被告人が原審(事実審)の判決に対し、量刑が不当であるとして上告を申し立てた事案。弁護人は上告趣意において、原審が決定した刑の量定について非難を展開した。
あてはめ
本件の上告趣意は、事実審である原審がその裁量権の範囲内で適法に決定した量刑を非難するものである。しかし、量刑の決定は事実審の専権事項であり、本件原審の判断に裁量権の逸脱や濫用等の違法性は認められない。したがって、単なる量刑不当の主張は、刑事訴訟法(旧法446条)上の適法な上告理由に当たらないといえる。
結論
本件上告は適法な理由を欠くため、棄却を免れない。
実務上の射程
量刑不当が死刑や無期懲役などの重大な事件における『著しい量刑不当』に該当しない限り、原則として上告審は介入しないという事実審の裁量尊重の姿勢を示す。答案上は、上告理由の制限(刑訴法405条、411条2号参照)を論じる際の根拠となる。
事件番号: 昭和25(れ)1432 / 裁判年月日: 昭和25年12月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】量刑の不当を主張する上告趣意は、原審の裁量権に属する事項を非難するものにすぎないため、適法な上訴理由とはならない。 第1 事案の概要:被告人らに対し実刑を言い渡した原審の判断に対し、弁護人はその量刑が不当であるとして上告を申し立てた。具体的事案の内容については判決文からは不明。 第2 問題の所在(…