判旨
事実審である原審が裁量権の範囲内で適法に行った刑の量定の不当を理由とする上告は、刑事訴訟法応急措置法13条2項(現行刑訴法405条等参照)により、適法な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
事実審が裁量権の範囲内で適法に行った刑の量定の不当を、上告理由とすることができるか。
規範
刑の量定は事実審の裁量に属する事項であり、原審がその裁量権を逸脱せず適法に行った量刑については、上告審においてその不当を争うことはできない。
重要事実
被告人が原審の刑の量定を不服として上告した事案。原審は、その裁量権の範囲内で適法に刑を決定していた。
あてはめ
本件における量刑は、事実審である原審がその裁量権の範囲内で適法に行ったものである。上告人が主張する内容は、単にこの適法な量刑を非難するものに過ぎず、法令で定められた適法な上告理由を構成しない。
結論
本件上告は適法な上告理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
現行刑訴法405条の下でも、単なる量刑不当は上告理由とならないという原則(上告理由の制限)を確認する際に参照される。ただし、死刑又は無期懲役等の重大な事件で、著しく刑の量定が不当な場合には、411条2号による職権破棄の対象となり得る点に注意が必要である。
事件番号: 昭和25(れ)1616 / 裁判年月日: 昭和26年1月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が、原審の裁量権に属する証拠の取捨、事実認定、または刑の量定を非難するにとどまる場合は、適法な上告理由に当たらない。 第1 事案の概要:弁護人は、原審がその裁量権の範囲内で適法に行った証拠の取捨選択、事実の認定、および刑の量定に誤りがあるとして、上告を申し立てた。なお、被告人が問われた具体…
事件番号: 昭和25(あ)3153 / 裁判年月日: 昭和26年3月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告審において憲法違反又は刑訴法違反を主張するためには、原則として原審において当該主張がなされ、原判決がそれに対して判断を示していることを要する。 第1 事案の概要:被告人の弁護人は、第一審判決およびこれを支持した原判決について、憲法違反および刑訴法違反を主張して上告を申し立てた。しかし、当該違反…