判旨
犯行時に有効であった物価統制令が犯行後に廃止されたとしても、既に成立した物価統制令違反罪の刑罰を廃止するものではなく、犯罪の成立および刑の言渡しに影響を及ぼさない。
問題の所在(論点)
行為後に当該罰則が廃止された場合、刑法6条が適用され、あるいは刑事訴訟法上の免訴事由(刑の廃止)に該当するか。特に、法令の改廃が事実上の変更に基づくものである場合の処罰の可否。
規範
法律の改廃により罰則が廃止された場合であっても、それが単なる事実上の変更(時局の変遷による経済的理由等)に基づくものであり、法的な評価の変更を伴わないときは、行為時の法律を適用して処罰することができる。
重要事実
被告人が物価統制令に違反する行為を行った後、当該物価統制(法令)が廃止されたため、刑法6条(刑の変更)や刑事訴訟法に基づく免訴の成否が問題となった。
あてはめ
本件における物価統制の廃止は、経済情勢の変遷等の事実上の事情に基づくものであり、犯行当時の行為に対する法的評価を改めて処罰を否定する趣旨ではない。したがって、既に成立した物価統制令違反罪の刑罰は廃止されず、処罰を維持することが相当である。
結論
本件上告を棄却する。物価統制が廃止されても、既に成立した違反罪の処罰を妨げない。
実務上の射程
「法律の改廃」における「事実上の変更」と「法律的見解の変更」を区別する「限時法」的理論のリーディングケース。答案では刑法6条の解釈において、単なる事実上の変更であれば処罰が可能であるという論証に使用する。
事件番号: 昭和25(れ)818 / 裁判年月日: 昭和26年1月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】物価統制令違反の行為後、告示により価格統制が廃止された場合であっても、当該廃止前の違反行為について刑罰を科すことは妨げられない。いわゆる「限時法の理論」に基づき、法令の改廃が事実上の変遷に基づくものであれば、行為時の処罰規定が適用される。 第1 事案の概要:被告人は甘藷および澱粉の販売価格につき、…