判旨
第一審公判調書における被告人の自白およびその他の証拠を総合して犯罪事実を認定することは、採証法則に違反せず適法である。
問題の所在(論点)
第一審の公判調書に記載された被告人の自白と他の証拠を総合して事実認定を行うことが、採証法則(証拠の評価に関するルール)に違反するか、あるいは事実誤認を招く違法なものといえるか。
規範
事実認定において、公判調書に記載された被告人の供述内容および関係証拠を総合的に考慮し、それらに基づいて犯罪事実を認定する手法は、特段の事情がない限り、採証法則および自由心証主義の範囲内として許容される。
重要事実
被告人が第一審の公判において、原判決が認定した事実と同旨の供述(自白)を行った。原判決は、この公判調書に記載された被告人の供述に加え、その他の証拠を総合して有罪の事実認定を行った。これに対し、弁護人が採証法則の違反や擬律の錯誤を主張して上告した事案である。
あてはめ
本件では、被告人自身が第一審の公判において原判決と整合する供述を行っていることが公判調書から明らかである。さらに、当該供述のみならず、原判決が掲げる他の証拠をあわせて検討すると、原判決が摘示した犯罪事実は十分に認められる。したがって、証拠の取捨選択や評価において合理性を欠く点はなく、採証法則に違反する事由は認められない。
結論
原判決に採証法則違反や擬律錯誤等の違法は認められず、本件上告は棄却される。
実務上の射程
自白の証明力や証拠の総合評価に関する極めて基礎的な判断を示したものである。答案上は、公判供述の証拠能力や証明力、あるいは自由心証主義に基づく事実認定の合理性を論じる際の補強的な根拠として機能する。ただし、判決文が極めて簡潔であるため、具体的な認定手法の詳細については本判決からは不明である。
事件番号: 昭和25(れ)1481 / 裁判年月日: 昭和25年12月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告趣意が原審の自由裁量に属する証拠の判断、取捨及び事実認定を非難するものに過ぎない場合、上告は棄却されるべきである。 第1 事案の概要:上告人が、原審における証拠の判断、取捨および事実認定に不服があるとして上告を申し立てた事案。なお、具体的な犯罪事実や詳細な経緯については判決文からは不明。 第2…