判旨
単に刑の執行猶予を求める不服申し立ては、当時の刑訴応急措置法の下において適法な上告理由とはならない。
問題の所在(論点)
単に執行猶予を求めるという量刑上の主張が、法律上の適法な上告理由として認められるか。
規範
上告審において適法な上告理由として認められるためには、当時の法令(刑訴応急措置法13条2項等)に規定された事由に該当する必要があり、単なる量刑上の不服(執行猶予の付与の要望)はこれに含まれない。
重要事実
被告人が原判決の刑の執行について、執行猶予を付与してほしい旨を主張して上告を申し立てた事案である。
あてはめ
被告人の主張は「執行猶予にしてほしい」という一点に尽きる。しかし、このような主張は刑訴応急措置法13条2項が定める上告理由のいずれにも該当しない。したがって、法的な適格を欠く主張と言わざるを得ない。
結論
本件上告は理由がないものとして棄却される。
実務上の射程
現行刑事訴訟法405条においても上告理由は判例違反や憲法違反等に限定されており、死刑や無期、長期3年を超える懲役・禁錮以外の事件での単なる量刑不当は、原則として411条2号による裁量的破棄の対象にとどまるという実務上の大原則を再確認するものである。
事件番号: 昭和25(れ)1179 / 裁判年月日: 昭和25年12月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】単なる量刑不当の主張は、刑事訴訟法上適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人の弁護人が、原判決の量刑が不当であることを理由として上告を申し立てた事案である。 第2 問題の所在(論点):旧刑事訴訟法下(及び現行法下における解釈の前提)において、量刑不当の主張が適法な上告理由となるか。…