判旨
裁判所が刑の執行を猶予しないことは、裁判所の広範な裁量に委ねられており、それが直ちに法令違反となることはない。
問題の所在(論点)
裁判所が刑の執行猶予を付さないことの適否、および量刑の不当が上告理由となるか。
規範
刑の執行猶予を付すか否かは、事案の性質、情状、被告人の資質等を総合的に考慮して決せられる裁判所の裁量事項である。したがって、量刑の不当を理由とする上告は、適法な上告理由には当たらない。
重要事実
被告人が刑の執行猶予を付されなかったことに対し、弁護人が原判決の判断には法則に反する点があると主張して上告を提起した事案。判決文からは具体的な犯行態様等の事実は不明である。
あてはめ
原審において被告人に対し刑の執行猶予を付さなかったことについて、何ら法則に反するところはない。弁護人の論旨は、実質的には原審の量刑が不当であることを主張するものであるが、これは適法な上告理由に該当しない。
結論
被告人に執行猶予を付さなかった原判決に法令の違反はなく、本件上告は棄却される。
実務上の射程
執行猶予の付与が裁判所の裁量であることを再確認する趣旨である。実務上、量刑不当を理由とする上告は制限されており、特段の事情がない限り、裁量の範囲内であれば適法な上告理由にならないことを示す際に参照される。
事件番号: 昭和25(れ)1285 / 裁判年月日: 昭和25年12月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】単に刑の執行猶予を求める不服申し立ては、当時の刑訴応急措置法の下において適法な上告理由とはならない。 第1 事案の概要:被告人が原判決の刑の執行について、執行猶予を付与してほしい旨を主張して上告を申し立てた事案である。 第2 問題の所在(論点):単に執行猶予を求めるという量刑上の主張が、法律上の適…