判旨
単なる量刑不当の主張は、刑事訴訟法上適法な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
旧刑事訴訟法下(及び現行法下における解釈の前提)において、量刑不当の主張が適法な上告理由となるか。
規範
上告審において適法な上告理由として認められるためには、憲法違反、憲法解釈の誤り、又は最高裁判所の判例(あるいはこれがない場合には大審院等の判例)との相反があることが必要であり、単なる量刑の不当はこれに当たらない。
重要事実
被告人の弁護人が、原判決の量刑が不当であることを理由として上告を申し立てた事案である。
あてはめ
本件上告趣意は、原判決の量刑不当を主張するにとどまるものである。これは法律上の上告理由(憲法違反や判例違反等)を構成するものではないため、実質的な審理に入るまでもなく、不適法な申し立てと言わざるを得ない。
結論
本件上告は適法な理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
実務上、量刑不当は刑事訴訟法405条の上告理由には含まれないため、上告趣意書において量刑を争う場合は、著しい量刑不当が「刑の量定が著しく不当であること」を理由とする職権破棄(411条2号)を促す主張として構成する必要がある。
事件番号: 昭和25(あ)2755 / 裁判年月日: 昭和26年6月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】単なる量刑不当の主張は刑事訴訟法405条所定の上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が原審の判断を不服として上告した事案。上告趣意において、被告人は、原審が第一審判決の刑の量定を是認したことは不当である旨を主張した。 第2 問題の所在(論点):刑事訴訟法405条が規定する適法な上告理由…