判旨
法律審である最高裁判所に対する上告において、単なる事実誤認の主張は、適法な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法上(旧法を含む)、原判決の事実誤認の主張が、最高裁判所に対する適法な上告理由として認められるか。
規範
最高裁判所に対する上告理由は、憲法違反や判例違反等に限定されており、原判決の事実認定の不当(事実誤認)を主張することは、法律審としての性格上、適法な上告理由を構成しない。
重要事実
被告人が、原判決に事実誤認があることを理由として最高裁判所に上告を申し立てた事案。
あてはめ
被告人の上告趣意は、その実質において原判決の事実誤認を主張するものである。しかし、最高裁判所は法律審であり、適法な上告理由は限定されている。したがって、事実誤認の主張は上告理由として不適法であると判断される。
結論
本件上告は棄却される。
実務上の射程
最高裁判所への上告理由を検討する際、事実誤認の主張は原則として門前払いされることを示す。実務上、上告趣意書を作成するにあたっては、形式的な事実誤認ではなく、憲法違反や判例違反、あるいは著しい正義に反する重大な事実誤認(現行刑訴法411条3号)としての構成が必要となる。
事件番号: 昭和26(れ)1417 / 裁判年月日: 昭和26年11月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人の上告趣意が原判決の事実認定を争うものである場合、それは適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が、第一審または控訴審の判決に対し、原判決の認定した事実が誤っていることを理由として最高裁判所に上告を申し立てた事案。 第2 問題の所在(論点):原判決の事実認定を争う主張は、上告…