判旨
刑の執行猶予を言い渡さなかったことを不服とする主張は、量刑不当の主張にすぎず、適法な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
裁判所が刑の執行猶予を言い渡さなかったこと(刑法25条の適用有無)を不服として上告することは、適法な上告理由となるか。
規範
刑の執行猶予の付与に関する判断は裁判所の裁量に属する事項であり、これに対する不服申し立ては、実質的に量刑の不当を主張するものと解され、適法な上告理由(旧刑事訴訟法405条等参照)を構成しない。
重要事実
被告人が原判決において刑の執行猶予の言渡しを受けなかったことに対し、弁護人がこれを不当として上告を申し立てた事案。
あてはめ
弁護人の主張は、原判決が刑の執行猶予を言い渡さなかったことを非難するものである。これは、宣告された刑の重さ自体を争う「量刑不当」の主張に帰結する。刑事訴訟法上の上告理由(憲法違反、判例違反等)には該当せず、実質的な量刑不当の主張は適法な上告理由となり得ない。
結論
本件上告は不適法であり、棄却されるべきである。
実務上の射程
執行猶予の言渡しは裁判所の裁量権に属するため、その不付与のみを理由に上告することはできないという実務上の原則を示す。量刑判断の著しい不当(刑訴法411条2号)を突く場合を除き、執行猶予の有無を直接の争点とする上告の限界を画するものである。
事件番号: 昭和25(れ)1432 / 裁判年月日: 昭和25年12月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】量刑の不当を主張する上告趣意は、原審の裁量権に属する事項を非難するものにすぎないため、適法な上訴理由とはならない。 第1 事案の概要:被告人らに対し実刑を言い渡した原審の判断に対し、弁護人はその量刑が不当であるとして上告を申し立てた。具体的事案の内容については判決文からは不明。 第2 問題の所在(…
事件番号: 昭和25(れ)1264 / 裁判年月日: 昭和25年12月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が刑の執行を猶予しないことは、裁判所の広範な裁量に委ねられており、それが直ちに法令違反となることはない。 第1 事案の概要:被告人が刑の執行猶予を付されなかったことに対し、弁護人が原判決の判断には法則に反する点があると主張して上告を提起した事案。判決文からは具体的な犯行態様等の事実は不明であ…