判旨
旧刑事訴訟法下において、事実誤認および量刑不当を理由とする上告は、適法な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
旧刑事訴訟法における上告理由の範囲。特に、原判決の事実誤認および量刑不当の主張が適法な上告理由となるか。
規範
上告適法理由の限定。事実誤認および量刑不当は、法律上の判断を求める上告審の性格に鑑み、原則として適法な上告理由を構成しない(旧刑事訴訟法446条参照)。
重要事実
被告人が上告を提起した際、その趣意書において、原審(控訴審)の判断に事実誤認があること、および原審の量刑が不当であることを理由として主張した。
あてはめ
弁護人が主張した論旨第一点(事実誤認)および第二点(量刑不当)は、いずれも当時の刑事訴訟法が認める適法な上告理由に該当しない事由である。したがって、上告審として実体的な判断を行うことなく、形式的に不適法な主張として排斥すべきである。
結論
本件上告を棄却する。事実誤認および量刑不当の主張は、いずれも上告適法の理由とならない。
実務上の射程
現行刑事訴訟法(405条、411条等)においても、上告理由は憲法違反や判例違反に限定されており、事実誤認や量刑不当は原則として上告理由とならない。ただし、現行法下では「著しく正義に反する場合」に職権での破棄があり得るが、本判決は旧法下での厳格な不適法判断の例として位置付けられる。
事件番号: 昭和25(れ)924 / 裁判年月日: 昭和25年11月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】事実誤認を理由とする上告は、適法な上告理由にはあたらない。 第1 事案の概要:被告人が、原審における判決の内容に事実の誤認があることを主張して上告を申し立てた事案である。 第2 問題の所在(論点):旧刑事訴訟法下(および現行刑訴法405条の趣旨に照らし)、原審判決に事実の誤認があるとする主張が適法…