高等裁判所がした上訴権回復請求却下の決定に対する本件抗告は不適法といわねばならない。
高等裁判所がした上訴権回復請求却下の決定に対する抗告の適否
裁判所7条2号,刑訴応急措置法18条
判旨
最高裁判所は、法律が特に最高裁判所に抗告を申し立てることができる旨を定めている場合に限り、裁判権を有する。本件抗告は、刑事訴訟法応急措置法18条等の特別の規定に該当しないため、不適法として棄却されるべきである。
問題の所在(論点)
最高裁判所が抗告事件について裁判権を有するための要件、および法律に特別の規定がない場合の抗告の適法性が問題となる。
規範
最高裁判所は、裁判所法7条2号に基づき、法律が特に最高裁判所に対して抗告を申し立てることができる旨を規定している場合にのみ、その抗告事案に対する裁判権を有する。
重要事実
抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案である。本件において適用が検討される刑事訴訟法応急措置法18条は、特定の事由に基づく最高裁判所への抗告を認めているが、本件抗告の内容はこの規定に該当するものではなかった。
あてはめ
事件番号: 昭和22(つ)1 / 裁判年月日: 昭和23年1月26日 / 結論: 棄却
裁判所法第七條第二號によれば、最高裁判所は、特に最高裁判所の權限に屬するものと定められた抗告(刑訴應急措置法第一八條)についてのみ裁判權を有するものである。
裁判所法7条2号によれば、最高裁判所の権限は法律に定めるものに限られる。本件抗告は刑事訴訟法応急措置法18条に規定する場合に該当せず、かつ他に最高裁判所への抗告を許容する法律の規定も存在しない。したがって、本件抗告は最高裁判所の裁判権の範囲外の不適法な申し立てといえる。
結論
本件抗告は不適法であり、旧刑事訴訟法466条1項により棄却する。
実務上の射程
最高裁判所への直接の抗告(特別抗告等)については、常に根拠となる個別法の規定を確認する必要がある。具体的規定がない場合に最高裁判所へ申し立てを行うことは、裁判権の欠如により不適法却下・棄却の対象となることを示している。
事件番号: 昭和28(し)75 / 裁判年月日: 昭和28年10月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所は、裁判所法7条2号に基づき、法律が特に最高裁判所に対して抗告を申し立てることができる旨を定めている場合に限り裁判権を有する。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案であるが、当該抗告は刑訴応急措置法18条に規定する場合に該当せず、また、他に最高裁判所への申し立…
事件番号: 昭和23(つ)35 / 裁判年月日: 昭和23年12月20日 / 結論: 棄却
最高裁判所に對しては、刑訴應急措置法第一八條のように、特に最高裁判所に抗告を申立てることを許された場合の外、抗告をすることは許されないものであることは、既に當裁判所の判例とするところである。(昭和二二年(つ)第七號事件同年一二月八日大法廷決定參照)
事件番号: 昭和28(し)16 / 裁判年月日: 昭和28年5月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対しては、法律により特に許された場合を除き、抗告を申し立てることはできない。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。本件の抗告理由は、法律(刑訴応急措置法18条等)において例外的に最高裁判所への抗告が認められている事由には該当しないものであった。 第2 問題…
事件番号: 昭和25(し)69 / 裁判年月日: 昭和25年12月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした決定に対しては、刑事訴訟法上の抗告を申し立てることは許されない。 第1 事案の概要:抗告人が、最高裁判所の既になした決定に対して不服を抱き、別紙抗告申立書をもって抗告を申し立てた事案。 第2 問題の所在(論点):最高裁判所がした決定に対して、刑事訴訟法上の抗告を申し立てることが可能…