原審の裁判は判決であつて決定、命令でないから、これに対しては、控訴、上告をすることは格別として抗告をするべきものではない。よつて、本件抗告は不適法である。
判決に対する抗告申立の適否
刑訴法433条
判旨
裁判所法7条にいう「訴訟法において特に定める抗告」とは、刑事訴訟法433条のように、不服を申し立てることができない決定・命令に対し、法律が特に最高裁判所への申立てを認めたものを指す。したがって、判決に対して抗告をすることは認められず、不適法である。
問題の所在(論点)
裁判所法7条にいう「訴訟法において特に定める抗告」の意義、および「判決」という形式の裁判に対して抗告を申し立てることの可否が論点となる。
規範
裁判所法7条に規定される「訴訟法において特に定める抗告」とは、不服を申し立てることができない決定または命令に対し、刑事訴訟法433条等の法律が特別に最高裁判所への抗告を許容しているものを意味する。裁判の形式が「判決」である場合には、これに対する不服申立ては控訴または上告によるべきであり、抗告の対象とはならない。
重要事実
抗告人は、原審(下級審)が下した「判決」に対し、最高裁判所に対して「抗告」を申し立てた。抗告人はこれを裁判所法7条に基づく正当な不服申立てであると主張したが、申立ての対象が決定や命令ではなく判決であったため、その適法性が問題となった。
事件番号: 昭和25(し)49 / 裁判年月日: 昭和28年2月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条に基づく特別抗告は、同法405条所定の事由がある場合に限られ、判決の押収物還付部分に対する被告人以外の第三者からの不服申立ては、適法な抗告理由に該当しない。 第1 事案の概要:被告人の業務上横領被告事件において、地裁支部が押収された金員を被害者に還付する旨の判決を下した。これに対…
あてはめ
本件において、抗告人が不服を申し立てている対象は、原審の「判決」である。裁判所法7条および刑事訴訟法上の抗告制度は、本来不服申立てができない「決定」や「命令」を対象とする特別の救済手段である。判決に対しては、通常の不服申立経路である上訴(控訴・上告)が用意されており、決定・命令を対象とする抗告の手続を適用する余地はない。
結論
本件抗告は、抗告の対象となり得ない判決に対してなされた不適法な申立てであるため、棄却されるべきである。
実務上の射程
裁判形式(判決・決定・命令)による不服申立方法の峻別を明示したものである。実務上、判決に対しては上告すべきであり、特別抗告の手続を誤用した場合の不適法性を基礎づける際に参照される。
事件番号: 昭和27(し)74 / 裁判年月日: 昭和27年10月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条に基づく特別抗告は、同法405条に規定する憲法違反または判例相反の事由がある場合に限り申し立てることができる。本件の抗告理由はこれらに該当しないことが明らかであるため、適法な理由にならず棄却を免れない。 第1 事案の概要:抗告人Aが、原決定に対して刑事訴訟法433条に基づき特別抗…
事件番号: 昭和27(き)7 / 裁判年月日: 昭和27年12月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審請求の理由が刑事訴訟法に規定された再審事由のいずれにも該当しない場合には、同法446条に基づき請求を棄却すべきである。 第1 事案の概要:申立人は、確定判決に対して再審の請求を行ったが、その請求の趣旨において主張された事由について検討がなされた。判決文からは具体的な申立内容の詳細は不明であるが…