所論酒税法第六〇条一項二項の規定を通用して被告人に罰金と懲役とを科するに当り罰金についても刑法第四八条二項を適用した原判決は所論酒税法第六六条の規定の解釈をあやまつて右刑法の規定を適用した違法あるものといわなければならぬ。しかしかかる酒税法の解釈に関する論旨は明らかに刑訴第四〇五条に定める上告理由たる事由にあたらないし、また、右の違法の主張は被告人に対し却つて不利益な結果を生ずるから、被告人のための本件上告としてはこれを以て原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認め難い、それ故同第四一一条を適用すべきものとも認められない。
刑法第四八条第二項の規定が解除される場合にれを適用した違法と刑訴法第四一一条
昭和24年法律43号による改正前の酒税法60条,刑法48条2項,刑訴法405条,刑訴法411条
判旨
最高裁判所規則が憲法に違反しないことは大法廷判決の判示するところであり、これを前提としない違憲の主張は採用できない。
問題の所在(論点)
上告理由における最高裁判所規則の違憲主張の当否、および具体的条項を明示しない憲法違反の主張が適法な上告理由となるか。
規範
最高裁判所規則の合憲性については、既に確立された大法廷判決の判断枠組みに従い、憲法違反の瑕疵は認められない。
重要事実
被告人が、特定の最高裁判所規則(詳細は本判決文からは不明)が憲法に違反することを前提として上告を申し立てた事案。また、上告趣旨において具体的な憲法の条項を明示せずに憲法違反を主張した部分も含まれていた。
あてはめ
論旨第一点については、既に昭和26年12月5日の大法廷判決において当該規則の合憲性が判断されている。したがって、当該規則が違憲であることを前提とする主張は、前提において誤りがある。また、論旨第三点については、具体的条項の指摘を欠くため適法な違憲の主張とはいえず、原判決の手続にも違法は認められない。
結論
本件上告を棄却する。当該規則は合憲であり、適法な上告理由も存在しない。
実務上の射程
最高裁判所規則の合憲性を争う際には、既存の大法廷判決を意識する必要がある。また、上告趣旨において憲法違反を主張する場合には、具体的な憲法条項を特定して主張しなければ、刑事訴訟法405条所定の上告理由として適法性を欠くと判断される実務上の指針を示している。
事件番号: 昭和25(あ)2498 / 裁判年月日: 昭和26年9月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法違反を主張する上告であっても、その実質が単なる刑訴法411条の職権破棄事由の主張にすぎない場合は、同法405条の上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が原判決に対して上告を申し立てた事案。弁護人は、上告趣意において憲法違反を主張したが、その具体的内容は刑訴法411条に該当する事由を…