判旨
被告人が警察官に逮捕された直後、警察署において供述した内容を録取した供述調書が、証拠能力を有するかが争われたが、上告理由に当たらないとして棄却された事案である。
問題の所在(論点)
捜査機関(警察官)が作成した被告人の供述調書について、証拠能力が認められるための要件、およびそれが適法な証拠として許容されるか。具体的には、伝聞法則の例外として適法に証拠採用された原審の判断に違憲または重大な法理誤認があるか。
規範
判決文には具体的な規範の記載はないが、一般に刑事訴訟法321条1項2号前段または3号等の伝聞例外の要件を満たす場合には、裁判官面前の供述に代えて書面を証拠とすることができる。
重要事実
被告人が警察官によって逮捕された後、警察署において取調べを受け、その際の供述内容が警察官によって録取され、供述調書として作成された。被告人は、当該調書の証拠能力を争い、刑訴法405条に基づき最高裁判所に上告した。
あてはめ
最高裁判所は、弁護人および被告人の上告趣意を検討した結果、それらがいずれも刑訴法405条所定の上告理由に当たらないと判断した。また、記録を精査しても、職権で判決を取り消すべき刑訴法411条の事由(著しい正義に反する場合等)は認められないとした。したがって、原審における供述調書の証拠採用手続きに違法はないと評価された。
結論
本件上告は棄却され、被告人の供述調書の証拠能力を認めた原審の判断が維持された。
実務上の射程
本決定は実質的に理由を付さない棄却決定(三行判決)であり、具体的な判断枠組みの提示はない。答案上は、警察官作成の供述調書については刑訴法322条1項(被告人の供述書)の要件を検討すべきであり、本判決自体を引用する実益は乏しい。
事件番号: 昭和26(れ)1882 / 裁判年月日: 昭和26年11月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本判決は、弁護人が主張する上告趣意について、刑事訴訟法405条の上告理由に該当しないと判断し、かつ職権調査を行っても同法411条を適用すべき著しい正義に反する事由は認められないとして、上告を棄却したものである。 第1 事案の概要:被告人が刑事事件について控訴審判決を受けた後、弁護人が上告趣意書を提…