判旨
審級制度の具体的設計は、憲法81条に違反しない限り立法府の裁量に委ねられており、控訴審を覆審制とせず、上告理由を限定する刑事訴訟法の規定は合憲である。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法が控訴審を覆審制とせず、かつ上告申立ての理由を刑訴法405条各号所定の事由に限定している(刑訴法411条所定の事由を上告理由として認めない)ことが、憲法に違反するか。
規範
刑事訴訟手続における審級制度の構成については、憲法81条(違憲審査権)に違反しない限り、立法府が適宜これを定めることができる。したがって、上告理由を特定の事由(刑訴法405条各号)に限定し、あるいは事後審的性格を強める等の制度設計は、直ちに違憲とはならない。
重要事実
被告人が、新刑事訴訟法における控訴審の構造(覆審制の否定)および上告理由の限定(刑訴法405条および411条の構成)について、審級制度の在り方として不当であり憲法に違反する旨を主張して上告した事案。
あてはめ
憲法は審級制度の具体的な内容を直接規定しておらず、立法府に広範な裁量を認めている。本件において、刑事訴訟法が控訴審を事後審的な性質(続審制・事後審制の混在)とし、上告理由を憲法違反や判例違反等に限定したことは、司法権の本質や憲法81条の趣旨を逸脱するものではない。記録を精査しても、職権で判決を取り消すべき刑訴法411条の事由も認められない。
結論
控訴審を覆審制とせず上告理由を限定する刑事訴訟法の規定は合憲であり、被告人の上告を棄却する。
実務上の射程
刑事訴訟の審級構造(事後審制)の合憲性を基礎づける判例である。答案上は、被告人が事実誤認や量刑不当を理由に上告を申し立てる際の制限や、審級制度の立法裁量を論じる際の根拠として活用できる。特に「憲法81条に違反しない限り、立法を以て適宜にこれを定め得る」というフレーズは汎用性が高い。
事件番号: 昭和26(あ)2004 / 裁判年月日: 昭和27年3月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本決定は、上告趣意が刑訴法405条の上告理由に当たらず、かつ記録を精査しても同法411条の職権破棄事由が認められない場合に、上告を棄却するものである。 第1 事案の概要:被告人が原判決に対し、憲法違反および刑訴法411条の事由(著しい法令違反等)を主張して上告を申し立てた事案。なお、具体的な犯罪事…