判旨
憲法37条1項が保障する「公平な裁判所の裁判」とは、裁判所の組織や構成において不公平のおそれのない裁判所による裁判を指す。
問題の所在(論点)
憲法37条1項が保障する「公平な裁判所」の意義、および同条項が要求する不公平のおそれがない状態の対象範囲が問題となる。
規範
憲法37条1項にいう「公平な裁判所の裁判」とは、組織、構成等において不公平のおそれのない裁判所による裁判をいう。
重要事実
本件の上告人は、原判決が憲法37条1項等に違反する不公平な裁判であると主張して上告を申し立てた。しかし、具体的な事案の内容や、どのような組織・構成上の問題が主張されたのかについての詳細は判決文からは不明である。
あてはめ
最高裁判所は、既に出されている大法廷判決(昭和23年6月30日宣告)の判例を引用した。本件において、上告人が主張する違憲の主張は、この「組織・構成等における不公平」という基準に照らして理由がないものと判断された。また、その他の憲法31条違反や判例違反の主張についても、実質的には単なる法令違反や事実誤認の主張に帰すると評価された。
結論
本件裁判所が組織や構成において不公平であるとは認められず、憲法37条1項違反には当たらない。
実務上の射程
刑事訴訟法における裁判官の除斥・忌避の制度の憲法上の根拠を論じる際に活用できる。また、裁判官の個人的な偏見の問題ではなく、制度的・客観的に「組織・構成」として不公平のおそれがあるか否かを判断する際のメルクマールとなる。
事件番号: 昭和26(あ)1444 / 裁判年月日: 昭和28年2月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法37条1項が保障する「公平な裁判所の裁判」とは、偏頗や不公平のおそれのない組織・構成をもつ裁判所による裁判を意味し、個別の事件における具体的内容の公正さを指すものではない。 第1 事案の概要:被告人らの弁護人が、原審における事実の認定や法令の解釈が公平でないことを理由として、憲法37条1項が定…
事件番号: 昭和28(あ)383 / 裁判年月日: 昭和30年7月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法37条1項が保障する「公平な裁判所」とは、偏頗や不公平のおそれのない組織と構成を備えた裁判所を指し、個々の事件における事実認定の当否自体を指すものではない。 第1 事案の概要:被告人が、原審(控訴審)において第一審判決が維持されたことに対し、原審は予断を抱いて安易に控訴を棄却したものであり、公…