判旨
関税法の規定に基づき当分の間外国と看做される地域(奄美大島等)については、関税法の適用上「日本国外」として扱うのが相当である。
問題の所在(論点)
関税法104条等の規定により「外国とみなされる」地域(本件では奄美大島)において、関税法の罰則(密輸入等)を適用する際、当該地域を「日本国外」として扱うことが許されるか。
規範
関税法の一部を改正する等の法律(昭和24年法律第65号)104条及び関連省令により、特定の附属島嶼が「当分の間外国と看做される」と規定されている場合、当該地域は関税法の罰則規定の適用において日本国外(外国)に該当する。
重要事実
被告人は、南西諸島奄美大島郡a村において、関税法に抵触する行為を行った。第一審判決は、当時の法令に基づき奄美大島を「日本国外」であると認めた上で、被告人に対し関税法76条、83条1項を適用して有罪とした。これに対し、被告人側は実体法違反等を理由に上告した。
あてはめ
昭和24年法律第65号104条及び大蔵省令36号1条の規定によれば、奄美大島を含む特定の島嶼は「当分の間外国と看做される」ものとされている。この規定は、関税行政上の必要から法的擬制を設けたものであり、第一審が同島を日本国外として取り扱い、関税法の各罰則規定を適用した判断は法令の趣旨に合致しており、正当である。
結論
奄美大島を日本国外であると認めて関税法を適用した判断に法令違反はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
法規により「外国とみなす」との擬制がある場合、その範囲内において関税法上の「輸出」「輸入」等の概念が成立することを肯定する。法令による擬制の射程を確認する際の基準となる。
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