一、営業権とは、当該企業の長年にわたる伝統と社会的信用、立地条件、特殊の製造技術及び特殊の取引関係の存在並びにそれらの独占性等を総合した、他の企業を上回る企業収益を稼得することができる無形の財産的価値を有する事実関係である。 二、省略
一、営業権の意義 二、営業権の価格を計上することが税法上相当でないとされた事例
法人税法2条24号,法人税法施行令13条8号り,商法285条の7
判旨
営業権(のれん)とは、伝統、社会的信用、立地条件、特殊の技術・取引関係等の独占性を背景とした、他企業を上回る収益稼得能力を有する無形の財産的価値である。
問題の所在(論点)
法人税法等の税法上の解釈において「営業権(のれん)」をどのように定義すべきか。また、過少申告加算税が課されない事由である国税通則法65条2項(当時)の「正当な理由」の有無が問題となった。
規範
営業権(のれん)とは、当該企業の長年にわたる伝統と社会的信用、立地条件、特殊の製造技術及び特殊の取引関係の存在、並びにそれらの独占性等を総合した、他の企業を上回る企業収益を稼得することができる無形の財産的価値を有する事実関係をいう。
重要事実
上告人(納税者)は、法人税等の申告において「営業権」の価額を計上し、それに関連する税務処理を行った。しかし、課税当局は、当該営業権の計上は不相当であるとして更正処分等を行った。上告人は、国税通則法65条2項の「正当な理由」があるとも主張したが、原審では認められなかった。本判決の対象となった具体的な取引態様や企業の詳細な属性については、判決文からは不明である。
あてはめ
営業権の本質は超過収益力にある。原審が確定した事実関係によれば、上告人が主張する事由は、企業の伝統や社会的信用、特殊技術等の独占性に基づき他企業を上回る収益を稼得できる財産的価値を形成しているとは認められない。したがって、税法上、営業権の価額を計上することは相当ではない。また、過少申告に至った事情についても、納税者が原審において「正当な理由」を具体的に主張しておらず、所論の事由も法的評価として「正当な理由」には該当しない。
結論
本件において営業権の価額を計上することは認められず、更正処分等は適法である。また、過少申告について国税通則法上の「正当な理由」も認められない。
実務上の射程
税法上の営業権(のれん)の定義を判示したリーディングケースである。答案上は、企業買収や資産譲渡に伴う営業権の償却の可否が問われる際、本規範を用いて「超過収益力」の有無を検討する。単なる名目的な営業権の創設は否定され、客観的な裏付けとなる事実(伝統、技術等)が必要となる。
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