期日外で判決言渡期日を指定しながら、当事者に対する右期日の告知及び呼出状の送達を欠いたままされた判決の言渡しは、違法ではあるが、右違法は、判決に影響を及ぼさないかぎり上告理由にならない。
判決言渡期日の告知及び呼出状の送達を欠いたままされた判決言渡しと上告理由
民訴法154条,民訴法188条,民訴法387条,民訴法394条,民訴法396条
判旨
不動産の売主は、売買契約が有効である限り、買主に対し登記の欠缺を主張して所有権を否定することはできず、この法理は売主の相続人との間でも同様に適用される。
問題の所在(論点)
不動産の売主が死亡し、相続人がその地位を承継した場合、当該相続人は買主に対して「登記の欠缺」を理由に所有権を主張することができるか(民法177条の「第三者」に該当するか)。
規範
物権変動は意思表示によって生ずる(民法176条)。そのため、有効な売買契約が存在する場合、売主は買主に対し、登記の有無にかかわらず不動産の所有権を主張できない。また、売主の相続人は被相続人(売主)の法律上の地位を包括的に承継するため(民法896条)、相続人もまた買主に対して同様の制限を負う。
重要事実
Dは本件建物をEに対して売り渡したが、所有権移転登記手続を完了しないまま死亡した。上告人はDの相続人として、他の相続人とともにDの法律上の地位を承継した。その後、上告人は自己が本件建物を相続したことを前提として、本件建物の権利を主張し、買主側の地位を争った。
あてはめ
本件では、DとEとの間で本件建物の売買契約が有効に成立しており、物権変動の意思表示がなされている。相続人である上告人は、売主Dの法律上の地位をそのまま承継した者であり、Eとの関係では売買契約の当事者(債務者)としての地位を免れない。したがって、上告人はEに対して登記の有無を問わず所有権を主張できる立場にはなく、相続による所有権取得を対抗することもできない。
結論
売主の相続人は、買主に対して登記の欠缺を主張できず、相続を理由とした所有権の主張は認められない。
実務上の射程
本判決は、相続人が民法177条の「第三者」に該当しないことを当然の前提とし、売買契約の当事者性を重視する。司法試験では、不動産二重譲渡の事案で「相続」が絡む際(相続人による二重譲渡や共同相続後の登記の問題など)、当事者としての地位承継の有無を確認するための基礎理論として活用できる。
事件番号: 昭和26(オ)476 / 裁判年月日: 昭和29年1月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】死因贈与の受贈者と贈与者の相続人からの譲受人との関係は、対抗関係に立つため、登記の先後によって決するべきである。贈与者の相続人は、相続によって目的物上の権利義務を承継するが、その相続人から更に譲り受けた第三者は民法177条の「第三者」に該当する。 第1 事案の概要:上告人は、訴外Dとの間で、Dの死…
事件番号: 昭和50(オ)1167 / 裁判年月日: 昭和51年3月15日 / 結論: 棄却
訴訟代理権を授与された者が本人の死亡したのちその者を原告と表示して提起した訴は、死亡した本人の相続人のための訴として適法である。