特許料の追納期間を徒過した場合については、訴訟行為の追完に関する民訴法一五九条の規定は、適用ないし類推適用されない。
特許料の追納期間の徒過と訴訟行為追完の規定の適用の有無
民訴法159条,特許法112条1項
判旨
特許法112条1項に規定する特許料の追納期間を徒過した場合において、民事訴訟法上の訴訟行為の追完規定(現行民訴法97条、当時の159条)を適用または類推適用することはできない。
問題の所在(論点)
特許法112条1項の特許料追納期間を徒過した場合に、民事訴訟法159条(現97条)の訴訟行為の追完に関する規定を適用または類推適用して救済を受けることができるか。
規範
特許法が定める特許料の追納期間は、特許権の維持に関する手続的要件であり、民事訴訟法が予定する「訴訟行為」そのものではない。したがって、不変期間の徒過に関する救済規定である民事訴訟法の追完の理理は、特許料の納付手続には適用・類推適用されない。
重要事実
上告人は、特許法112条1項に定められた特許料の追納期間内に特許料を納付しなかった。上告人は、期間を徒過したことについて責めに帰すべき事由がないとして、民事訴訟法159条(当時)の規定に基づく訴訟行為の追完の準用を主張し、期間徒過後の納付の有効性を争った。
事件番号: 昭和59(行ツ)286 / 裁判年月日: 昭和61年4月25日 / 結論: 破棄自判
特許法四八条の三第一項所定の出願審査請求の期間につき民訴法一五九条一項の規定を準用ないし類推適用する余地はない。
あてはめ
特許法112条1項は、特許料の納付を怠った者に対し、一定期間内の追納を認めることで救済を図る独自の規定である。同条項の期間は、特許行政上の手続期間としての性質を有し、裁判所に対する訴訟行為を対象とする民事訴訟法の規定がそのまま当てはまるものではない。判旨は、特許法上の手続の厳格性および法的安定性の観点から、民訴法の追完規定を類推適用する余地を否定していると解される。
結論
民事訴訟法上の訴訟行為の追完に関する規定は、特許料の追納期間の徒過には適用されない。
実務上の射程
行政上の手続期間について民訴法の救済規定の類推適用を否定する。現在は特許法に独自の救済規定(「責めに帰することができない理由」による期間徒過の救済等)が整備されているため、本判例は当時の法状況下での一般的法理を示すものとして理解すべきである。
事件番号: 昭和44(行ツ)68 / 裁判年月日: 昭和49年7月19日 / 結論: その他
国税に関する処分に対する異議申立てを棄却した決定に対しては、異議決定固有の瑕疵を理由としてその取消訴訟を提起することができる。
事件番号: 昭和43(行ツ)39 / 裁判年月日: 昭和49年9月26日 / 結論: 破棄差戻
一、税務署長がした処分につき適法な理由附記のある審査請求棄却の裁決があつても、右処分に対する異議申立棄却決定につき理由附記の不備を主張してその取消を求める訴の利益は失われない。 二、税務署長がした処分に対する異議申立を棄却する決定が判決によつて取り消された場合において、右判決確定の時当初の異議申立から既に三月を経過して…
事件番号: 昭和48(行ツ)26 / 裁判年月日: 昭和50年7月4日 / 結論: 棄却
特許出願の拒絶査定に対する審判請求の際納付すべき手数料が不足するとしてその補正を命ぜられた者は、その指定された期間内又は遅くとも審判請求書却下決定のあるまでにこれを補正することを要し、右却下決定のあつた後は、たとえその確定前に右不足手数料の納付があつても、有効な補正があつたということはできない。