特許出願の拒絶査定に対する審判請求の際納付すべき手数料が不足するとしてその補正を命ぜられた者は、その指定された期間内又は遅くとも審判請求書却下決定のあるまでにこれを補正することを要し、右却下決定のあつた後は、たとえその確定前に右不足手数料の納付があつても、有効な補正があつたということはできない。
特許出願拒絶査定に対する審判請求の際納付すべき手数料が不足する場合とその補正が許される時期
特許法133条
判旨
特許出願の拒絶査定に対する審判請求の手数料不足について、補正命令で指定された期間内または審判請求書却下決定があるまでに補正すべきであり、却下決定後は、その確定前であっても有効な補正とは認められない。
問題の所在(論点)
特許法等に基づく手数料納付の補正について、審判請求書却下決定がなされた後(かつ確定前)に不足手数料を納付した場合、有効な補正として認められるか。
規範
特許法上の審判請求等において、手数料の納付に不備があるとして補正を命じられた場合、当該補正は、指定された期間内、または遅くとも審判請求書却下決定(不適法な手続の却下)がなされる時までに行われなければならない。却下決定がなされた後は、たとえその決定が確定する前であっても、追完による有効な補正を認めることはできない。
重要事実
上告人は、特許出願の拒絶査定に対する審判請求を行ったが、納付すべき手数料に不足があった。特許庁側は補正を命じたが、上告人が指定期間内に補正を行わなかったため、審判請求書を却下する決定がなされた。上告人は、当該却下決定が確定する前であれば不足手数料の納付による補正が可能であると主張し、決定後に納付を行った上で、却下決定の取消しを求めて争った。
事件番号: 昭和48(行ツ)26 / 裁判年月日: 昭和50年7月4日
【結論(判旨の要点)】手数料の納付を命ずる補正命令を受けた申立人が、指定期間内に手数料を納付しなかった場合、その後に手数料を納付したとしても、特段の事情がない限り、適法な補正があったとは認められない。 第1 事案の概要:申立人は、裁判所から納付すべき手数料が不足しているとして補正命令を受けた。しかし、申立人は指定された…
あてはめ
本件において、上告人は指定された期間内に手数料の不足を解消しなかった。特許手続の迅速性と確実性を担保する観点から、補正ができる終期は客観的に明確である必要がある。審判請求書却下決定は、手続上の不備を確定させる処分であり、この決定がなされた以上、その後に不足分を納付したとしても、既に失われた補正の機会を回復させることはできない。したがって、決定後の納付は「有効な補正」としての要件を満たさないと評価される。
結論
審判請求書却下決定がなされた後の手数料納付は無効であり、却下決定は適法である。
実務上の射程
行政手続および知的財産権法における期間制限と補正の終期に関する判断。手続の不備(手数料不足等)に対し、行政庁が却下処分を下した後は、処分が未確定であっても「処分の原因となった瑕疵」を後追いで治癒することはできないとする法理を示す。答案では、手続的瑕疵の治癒の可否や、不利益処分の効力発生時期を論じる際の参照判例となる。
事件番号: 昭和44(行ツ)68 / 裁判年月日: 昭和49年7月19日 / 結論: その他
国税に関する処分に対する異議申立てを棄却した決定に対しては、異議決定固有の瑕疵を理由としてその取消訴訟を提起することができる。
事件番号: 昭和43(行ツ)99 / 裁判年月日: 昭和45年10月30日 / 結論: 棄却
旧特許法施行規則(大正一〇年農商務省令第三三号)四一条は、旧特許法(同年法律第九六号)六条に違反しない。
事件番号: 昭和45(行ツ)114 / 裁判年月日: 昭和48年6月26日
【結論(判旨の要点)】特許出願の拒絶査定に対する不服審判において、審判官が審理することなく審判請求を却下した決定に対し、適法な不服申立ての方法がない場合でも、行政事件訴訟法に基づく出訴期間等の制限が適用される。出願人が審判請求の適法性を争う場合は、審決取消訴訟の枠組みにおいて、審判手続の適法性を主張すべきである。 第1…
事件番号: 昭和39(ヤ)44 / 裁判年月日: 昭和40年4月20日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】再審の訴えにおいて、訴訟上の救助の申立てが却下された後、裁判所から命じられた手数料(印紙)の補正を所定期間内に行わなかった場合、当該再審の申立ては不適法として却下される。 第1 事案の概要:再審原告は、再審の申立てと同時に訴訟上の救助を申し立てた。しかし、裁判所は昭和40年2月16日に救助申立てを…