控訴審において債務承継人に対し訴訟の引受を命ずることは、憲法三二条に違反しない。
控訴審における訴訟引受と憲法三二条
憲法32条,民訴法74条
判旨
控訴審において民事訴訟法上の訴訟引受を命じることは、憲法32条が保障する裁判を受ける権利を侵害せず、適法である。
問題の所在(論点)
控訴審において訴訟引受(民事訴訟法50条、51条)を命じることが、憲法32条が保障する裁判を受ける権利に違反しないか。
規範
訴訟の承継(民事訴訟法50条、51条等)に基づく訴訟引受の決定は、審級の利益や適正手続きの観点から検討されるべきであるが、控訴審においてこれを行うことも、裁判を受ける権利を保障する憲法32条の趣旨に反しない。
重要事実
第一審判決後、控訴審(原審)において、上告人A1及びA2に対し、訴訟の目的である権利又は義務を承継したことを理由として訴訟引受命令がなされた。上告人らは、控訴審で訴訟引受を命じることは憲法32条に違反すると主張して上告した。
あてはめ
判旨は、過去の判例(昭和22年、昭和28年判決)の趣旨に照らし、控訴審での訴訟引受命令が合憲であることを明らかとした。引受人が第一審の審級の利益を実質的に失う側面はあるものの、訴訟承継人に対する手続保障と訴訟経済の要請との調和の観点から、控訴審における引受も適当であると解される(具体的な事実関係の詳細は判決文からは不明)。
事件番号: 昭和32(オ)659 / 裁判年月日: 昭和33年5月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】権利の行使が権利の濫用に該当するか否かは、確定された事実関係に基づき、客観的・総合的な諸事情を照らして判断される。本件においては、原審の認定した事実の範囲内では権利の濫用とは認められないと判断された。 第1 事案の概要:上告人らは、被上告人による本訴請求が権利の濫用にあたると主張して争った。原審は…
結論
控訴審において訴訟引受を命じることは憲法32条に違反しないため、原判決の判断は正当である。
実務上の射程
控訴審における訴訟承継(引受・参加)の適否に関する先例。司法試験の民事訴訟法において、訴訟承継人が審級の利益の喪失を主張して承継を争う場面で、手続保障の程度を論じる際の合憲性の根拠として引用できる。
事件番号: 昭和38(オ)435 / 裁判年月日: 昭和39年5月29日 / 結論: 棄却
一 控訴審における請求の拡張は、請求の基礎に変更がない場合は勿論、たとえ請求の基礎に変更があつても、相手方が異議なく応訴した場合は許されるべきである。 二 請求の拡張についての書面の提出または送達の欠缺は、責問権の喪失によつて治癒される。
事件番号: 昭和33(オ)279 / 裁判年月日: 昭和33年7月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】不動産の明渡請求が権利の濫用(民法1条3項)に当たるか否かは、当該請求を認めることが社会通念上著しく正当性を欠くといえるか等の事実関係を総合考慮して判断すべきである。 第1 事案の概要:上告人(被告)に対し、被上告人(原告)が本件建物の明渡しを求めた事案である。原審において認定された事実関係の詳細…
事件番号: 昭和30(オ)218 / 裁判年月日: 昭和32年9月17日 / 結論: 破棄差戻
民訴第七三条は承継人が自ら進んで既存の訴訟に加入しうることを認めたものであり、また同法第七四条は従来の訴訟当事者が承継人を強制して訴訟に参加せしめうることを認めたものであつて、その承継人は訴訟の目的たる権利または債務のいずれの承継人であるとを問わない。
事件番号: 昭和39(オ)573 / 裁判年月日: 昭和40年12月2日 / 結論: 棄却
訴の変更があつた場合においては、従前の訴訟資料はそのまま引きつがれると解するのが相当である。