出納責任者の選挙犯罪により、当選人について連座による当選無効の訴訟が提起された場合において、右出納責任者について復権があつても、そのことは、右訴訟の結果に影響を及ぼすものではない。
出納責任者の選挙犯罪による当選無効の訴訟と復権
公職選挙法251条の2,公職選挙法211条
判旨
公職選挙法上の連座制による当選無効は、選挙の公明適正の確保を目的とするものであり、選挙運動者が復権を得たとしても、当選無効の効力に影響を及ぼさない。
問題の所在(論点)
公職選挙法251条の2及び211条の連座制において、対象となる選挙運動者が復権を得た場合に、当選人の当選を無効とすべき効力に影響を及ぼすか。また、同制度は憲法31条、32条、及び選挙制度の本旨に違反しないか。
規範
公職選挙法251条の2及び211条に基づく連座制は、選挙運動者の不法な運動を抑止し、選挙人の自由な意思表明による公明かつ適正な選挙を確保することを目的とする。復権は有罪判決により喪失した資格を回復させるにとどまり、罪を犯して刑に処せられた事実自体を左右するものではない。したがって、選挙運動者が復権を得ても、連座制による当選無効の効力は妨げられない。
重要事実
上告人の選挙運動者である特定の人物(紫原定)が、公職選挙法所定の選挙犯罪により刑に処せられた。その後、当該人物は復権を得たが、これに基づき上告人は、連座制による自身の当選無効を争う訴訟において、復権により当選無効の事由が消滅したと主張して上告した。
あてはめ
連座制の趣旨は、買収等の悪質な方法で得た当選を保持させないことにある。復権は資格の回復にすぎず「刑に処せられた事実」を消滅させるものではないため、復権の有無は同法251条の2等の適用を左右しない。また、同制度は判決確定を経て当選を無効とする手続を採っており、適正手続や裁判を受ける権利に反せず、憲法上も合理的で許容される。
結論
選挙運動者に復権があっても、連座制に基づく当選無効の効力には何ら影響を及ぼさない。また、連座制は憲法31条、32条、及び選挙制度の本旨に違反せず、合憲である。
実務上の射程
選挙の公正を極めて重視する判例であり、連座制が「資格制限」としての性質だけでなく、選挙結果の適正化という「客観的制度」としての性質を有することを示す。行政法や公選法関連の起案において、刑の消滅や復権が行政上の不利益処分や法的地位に及ぼす影響を検討する際の参考となる。
事件番号: 昭和39(行ツ)59 / 裁判年月日: 昭和39年9月25日 / 結論: 棄却
公職選挙法第二五一条の二の規定は、憲法第一三条及び第一五条第一項、第三項に違反しない。
事件番号: 昭和39(行ツ)42 / 裁判年月日: 昭和40年2月26日 / 結論: 棄却
一 訴訟代理人たる弁護士の他の受任事件の都合による第一回口頭弁論期日の変更申請は、当事者の出頭しがたい顕著な事由に基づくものとは認めがたく、これを許容しなくても違法とすることはできない。 二 公職選挙法第二五一条の二の規定は、憲法第一二条および第一三条に違反しない。
事件番号: 昭和42(行ツ)16 / 裁判年月日: 昭和42年4月13日 / 結論: 棄却
一 出納責任者等の犯罪行為が当選に相当の影響を与えなかつたことが明らかな場合においても、公職選挙法第二五一条の二第一項によつて連座による当選無効を認めるのを妨げるものではない。 二 公職選挙法第二一一条の訴訟において、担当検察官の交替、変更あるいは二名以上の検察官の事件担当の事実があつたとしても、検察官としての原告の地…