民法第一七四条ノ二の規定によつて主たる債務者の債務の短期消滅時効期間が一〇年に延長されるときは、これに応じて保証人の債務の消滅時効期間も同じく一〇年に変ずるものと解すべきである。
主たる債務の短期消滅時効期間が民法第一七四条ノ二の規定により一〇年に延長された場合の保証人の債務の消滅時効期間
民法174条ノ2,民法457条
判旨
主たる債務が確定判決によって10年の消滅時効(旧民法174条の2第1項、現民法169条1項)に延長された場合、保証債務の時効期間もこれに従い10年に延長される。これは保証債務の附従性に基づくものであり、連帯保証債務についても同様である。
問題の所在(論点)
主たる債務について確定判決(旧民法174条の2、現民法169条1項)により消滅時効期間が10年に延長された場合、その効力は附従性を介して保証債務(連帯保証債務)の時効期間にも及び、同様に10年に延長されるか。
規範
民法457条1項の趣旨は、主たる債務が時効消滅する前に保証債務が時効消滅することを防ぐ点にあり、保証債務の附従性を表したものである。したがって、確定判決等により主たる債務の消滅時効期間が10年に延長されるときは、保証債務(連帯保証債務を含む)の消滅時効期間もこれに応じて10年に延長されると解するのが相当である。
重要事実
上告人は、主たる債務者の債務(短期消滅時効の対象)について連帯保証をしていた。その後、債権者が主たる債務者に対して判決を得たことにより、主たる債務の時効期間が10年に延長された。これに対し、連帯保証人である上告人は、自らの保証債務については依然として短期消滅時効が成立していると主張し、消滅時効の抗弁を提出した。
あてはめ
保証債務は主たる債務を担保することを目的とするものであり、その附従性ゆえに主たる債務の消滅時効の更新や完成猶予の効力が保証人に及ぶことが認められている(民法457条1項)。本件においても、主たる債務の時効期間が確定判決により10年に延長された以上、附従性の要請から、保証人の債務のみが先に消滅することは防がれるべきである。したがって、連帯保証人である上告人の債務についても、主たる債務と同様に10年の時効期間が適用されると評価するのが妥当である。
結論
主たる債務の時効延長に伴い、連帯保証債務の消滅時効期間も10年に延長される。したがって、消滅時効完成の抗弁は認められない。
実務上の射程
現行民法169条1項(旧174条の2)と457条1項を組み合わせた論証として確立している。保証人に判決を得ていなくとも、主債務者に判決等があれば、保証債務の時効期間そのものが延長されるという強力な附従性を認める射程を持つ。
事件番号: 昭和41(オ)1373 / 裁判年月日: 昭和43年11月15日 / 結論: 棄却
共同保証人の一人に対する債務の免除は、他の保証人に効果を及ぼさない。