共同保証人の一人に対する債務の免除は、他の保証人に効果を及ぼさない。
共同保証人の一人に対する債務の免除は他の保証人に効果を及ぼすか
民法437条,民法446条,民法458条
判旨
複数の連帯保証人が存在する場合、特定の連帯保証人に対してなされた債務の免除は、他の連帯保証人との間で連帯の特約等がない限り、他の連帯保証人に対してその効力を及ぼさない。
問題の所在(論点)
複数の連帯保証人が存在する場合(共同連帯保証)、その一人に対してなされた債務の免除は、民法437条(改正前)の準用により他の連帯保証人に対しても効力を生じるか。すなわち、連帯保証人相互間に連帯関係が認められるかが問題となる。
規範
複数の連帯保証人が存在する場合であっても、保証人相互間で連帯して保証債務を負担する特約(保証連帯)がある場合や商法511条2項(現行商法511条2項)が適用される場合を除き、各保証人間には連帯債務またはこれに準ずる法律関係は生じない。したがって、連帯保証人の一人に対する債務免除は、他の連帯保証人に対して相対的効力を有するにとどまる。
重要事実
債務者Dが債権者Eとの間で準消費貸借契約を締結し、これについて上告人と訴外Fが連帯保証人となった。その後、債権者Eは連帯保証人の一人であるFに対し、保証債務の免除を行った。上告人は、Fに対する免除の効力が自身にも及び、負担部分の限度で債務が消滅したと主張して争った。
あてはめ
本件において、上告人とFは共に主債務者と連帯して保証する旨を約しているが、上告人とFとの間において連帯して債務を負担する特約(保証連帯)が締結された事実は認められない。また、商法上の特則が適用されるべき事情も存在しない。各連帯保証人は主債務者との関係で連帯の特約があるにすぎず、保証人間には連帯債務関係が認められない以上、民法437条(改正前。現行法441条の反対解釈)が準用される余地はない。
結論
連帯保証人の一人に対する債務免除は他の連帯保証人に影響しない。上告人はFに対する免除にかかわらず、全額の弁済義務を免れない。
実務上の射程
連帯保証人相互間の関係を原則として相対的効力(民法441条参照)と解する実務上の指針。答案作成上は、単なる「共同連帯保証」と、保証人相互間でも連帯する「保証連帯」を厳格に区別し、特約がない限り免除の絶対的効力を否定すべき根拠として用いる。
事件番号: 昭和46(オ)774 / 裁判年月日: 昭和48年9月7日 / 結論: 棄却
手形債務を主たる債務として手形外の連帯保証契約が締結されている場合において、連帯保証人に対し裁判上の請求がされたときは、手形債務についても消滅時効が中断する。