甲所有の従前地につき換地処分がされたときは、換地は右換地処分の公告の日の翌日から従前地とみなされ、甲は換地につき所有権を取得し、右換地につき乙が所有権を有していたとしても、これに対しなんらの換地処分等がされないときにおいては、右公告の日の翌日以後は、右換地につき乙の所有権を認めることはできない。
甲所有の従前地につき換地処分がされ、その換地につき従前所有権を有していた所有者乙に対しなんらの換地処分等がない場合において甲の換地に対する権利
土地区画整理法104条1項2項
判旨
換地処分の公告があった場合、換地は公告の日の翌日から従前の宅地とみなされ、たとえ従前の所有者であっても、処分の無効や取消しがない限り所有権を主張することはできない。
問題の所在(論点)
換地処分の公告がなされた後において、従前の土地所有者が換地処分の瑕疵を理由に、換地後の土地の所有権を主張できるか(換地処分の効力と公定力の限界)。
規範
土地区画整理事業における換地処分は、公告の日の翌日からその効力を生じ、換地計画において定められた換地は従前の宅地とみなされる(土地区画整理法104条1項)。処分の瑕疵が当然無効と認められるほどに明白でなく、かつ適法に取り消されていない限り、公定力に基づき当該処分の効果を否定することはできない。
重要事実
東京都の都市計画区画整理事業により、被上告人所有の土地(甲乙両地)に対して換地指定が行われ、昭和39年8月31日に換地処分の公告がなされた。上告人は、本件係争地が換地処分以前は自己の所有であったこと、および当該換地処分には瑕疵があることを理由に所有権を主張したが、当該瑕疵を理由とする処分の取消しはなされていなかった。
事件番号: 昭和43(オ)795 / 裁判年月日: 昭和46年11月26日 / 結論: 棄却
特別都市計画法一三条所定の換地予定地の指定通知が従前の土地の所有者に対してなされたのちにおいては、当該換地予定地を占有するのでなければ、従前の土地を占有したからといつて、その従前の土地の所有権地上権または賃借権を時効によつて取得することはできない。
あてはめ
本件では、昭和39年8月31日の公告により、翌日から本件換地は従前の甲乙両地とみなされる。被上告人は甲乙両地の所有者であるから、当然に換地の所有権を取得する。上告人が主張する換地処分の瑕疵は、処分の当然無効を招来する程度に明白なものではなく、また現に取り消されてもいない。したがって、仮に係争地が処分以前に上告人の所有であったとしても、公告後の法的効果を覆すことはできないと解される。
結論
換地処分の公告後は、処分が当然無効であるか取り消されない限り、上告人に所有権を認める余地はない。
実務上の射程
行政処分の公定力を前提としつつ、土地区画整理法上の換地処分の形成的効果(104条)を確定させた射程を持つ。答案上は、処分の瑕疵を理由に私法上の権利関係を争う場合でも、まずは処分の公定力(有効性)が先行することを論証する際に活用できる。
事件番号: 昭和43(オ)522 / 裁判年月日: 昭和47年12月14日 / 結論: 棄却
一、従前の土地の一部につき甲の有していた賃借権を乙が適法に譲り受けたが、別に賃借権を主張する者があつたため、土地区画整理事業施行者が、右紛争の経緯を考慮して、甲に対し、右従前の土地に対する換地予定地(仮換地)につき賃借権の目的となる部分の指定通知をしたときは、乙は、右部分につき使用収益権を取得すると解すべきである。 二…
事件番号: 昭和43(オ)1167 / 裁判年月日: 昭和44年9月11日 / 結論: 棄却
譲渡令による強制譲渡手続が譲渡令書の未交付の状態において譲渡令が廃止され、農地法が施行された場合は、該強制譲渡の手続を受け継ぐ手続は、農地法施行法一三条による農地法一五条およびこれに関連する法令による手続である。
事件番号: 昭和44(オ)915 / 裁判年月日: 昭和44年11月13日 / 結論: 棄却
借地法の適用のある土地賃貸借の期間が、事実審の口頭弁論終結後約六年後に満了する場合において、貸主がその期間満了による賃貸土地の返還を求める将来の給付請求は、その請求の基礎となる権利関係を確定することができない請求権を訴訟物とするものであつて、不適法である。
事件番号: 昭和44(オ)211 / 裁判年月日: 昭和47年4月20日 / 結論: 棄却
不動産の賃借人が賃貸人から当該不動産を譲り受けながらその旨の所有権移転登記を経由していない間に、第三者が右賃貸人から右不動産を譲り受けてその旨の所有権移転登記を経由したため、前の譲受人である賃借人において右不動産の所有権取得を後の譲受人である第三者に対抗することができなくなつた場合には、いつたん混同によつて消滅した右賃…