調停手続に利害関係を有する者が調停期日に毎回出頭して居り、当事者双方および調停委員も同人が調停期日に出頭することを希望していた場合でも、これだけでは(原判決理由挙示事実関係参照)同人を民事調停法第一一条にいう、調停手続に参加した利害関係人ということはできない。
民事調停法第一一条にもとづき調停手続に参加した利害関係人にはあたらないとされた事例
民事調停法11条
判旨
民事調停法11条に基づく利害関係人の参加について、原審が適法な事実認定及び証拠の取捨選択に基づき行った判断を正当として是認した。
問題の所在(論点)
民事調停法11条における「利害関係人」の参加要件の解釈、および裁判所による証拠の取捨選択の適法性が問題となった。
規範
民事調停法11条所定の利害関係人の参加が認められるか否かは、当該調停手続における利害関係の有無及び程度に基づき、裁判所の適法な事実認定と裁量的な判断によって決せられる。
重要事実
上告人は、民事調停手続において、民事調停法11条に基づき利害関係人としての参加を求めた。しかし、原審はこれに係る事実関係を認定した上で、参加を認めない判断を下した。また、証人Dの取調べ請求についても、原審はこれを採用しなかった。上告人は、これらの判断に違法があるとして上告した。
事件番号: 昭和41(オ)1185 / 裁判年月日: 昭和42年4月20日 / 結論: 棄却
代理人のみが出頭した調停期日において、調停調書に本人および代理人の出頭を記載しても、調停の効力に影響がない。
あてはめ
最高裁は、原判決の事実認定が挙示された証拠関係に照らして正当であると判断した。特に、証人Dの取調べを行わなかった点については「唯一の証拠を排斥した場合」には該当せず、裁判所の合理的な証拠選別権限の範囲内にあるとした。したがって、民事調停法11条の適用に関する原審の判断は適法であるとした。
結論
原判決に違法はなく、上告を棄却する。民事調停における利害関係人の参加についての原審の判断は正当である。
実務上の射程
民事調停における参加の許否は、裁判所の広範な事実認定・裁量に委ねられることを示す。答案作成上は、調停手続における「利害関係」を基礎付ける事実の有無を検討する際の根拠となるが、本判決自体は原審の判断を包括的に是認するに留まる点に留意が必要である。
事件番号: 昭和37(オ)639 / 裁判年月日: 昭和38年10月15日 / 結論: 棄却
民事調停規則第五条は、調停の申立があつた事件につき訴訟が繋属する場合において、右訴訟手続を中止するか否かを裁判所の自由裁量に委ねた趣旨と解すべきである(昭和二七年(オ)第五七一号昭和二八年一月二三日第二小法廷判決、民集七巻一号九二頁と同旨)。
事件番号: 昭和42(オ)1441 / 裁判年月日: 昭和43年6月6日 / 結論: 棄却
土地の不法占有を原因とする賃料額相当の損害金請求訴訟において、原告が右相当賃料額を一ケ月金一、〇九〇円と主張したのに対し、被告はいつたん右主張を認めたが、控訴審にいたつてこれを争い、その金額を一ケ月金一、〇八九円である旨主張する等判示のような事情が存在する場合には、右被告の主張の態度、変更後の陳述の内容その他本件に表わ…
事件番号: 昭和34(オ)444 / 裁判年月日: 昭和36年12月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】不動産の競売において、他人の依頼を受けて名義人となり競落した場合であっても、内部関係において所有権を依頼者に移転する合意があれば、依頼者が実質的な所有権を取得する。その後、当該物件の譲受人が従前の賃貸借契約を承継することに合意した場合には、譲受人は賃借人に対して明渡請求をなし得ない。 第1 事案の…
事件番号: 昭和43(オ)1091 / 裁判年月日: 昭和44年4月24日 / 結論: 棄却
夫は宅地を賃貸し妻はその地上に建物を所有して同居生活をしていた夫婦の離婚に伴い、夫が妻へ借地権を譲渡した場合において、賃貸人は右同居生活および妻の建物所有を知つて夫に宅地を賃貸したものである等の判示事情があるときは、借地権の譲渡につき賃貸人の承諾がなくても、賃貸人に対する背信行為とは認められない特別の事情があるというべ…