訴訟上の和解に、当該訴訟の訴訟物たる権利関係以外の権利関係を包含させても違法ではない。
訴訟上の和解に訴訟物たる権利関係以外の権利関係を包含させることは違法か
民訴法203条
判旨
訴訟上の和解において、当該訴訟の訴訟物たる権利関係以外の権利関係を包含させることは違法ではない。
問題の所在(論点)
訴訟上の和解において、当該訴訟の訴訟物(請求)の範囲を超えた権利関係を和解条項に含めることができるか。
規範
訴訟上の和解は、当事者間における紛争の包括的解決を目的とするものであり、その内容として、当該訴訟の訴訟物たる権利関係のみならず、これに関連する他の権利関係を包含させることも認められる。
重要事実
上告人は、訴訟上の和解において訴訟物以外の権利関係が含まれている点について、違憲または違法であると主張して上告を提起した(具体的な事案の詳細は判決文からは不明)。
あてはめ
訴訟上の和解に訴訟物以外の事項を包含させることは、私的自治の原則および訴訟経済の観点から許容される。本件において、上告人が主張するような訴訟物以外の権利関係の包含は、直ちに和解を違法とする事由には当たらない。
結論
訴訟上の和解に訴訟物たる権利関係以外の権利関係を包含させることは違法ではないため、本件上告は棄却される。
実務上の射程
訴訟上の和解の効力が及ぶ範囲(既判力の及ぶ範囲)や、和解条項に基づく強制執行の可否を検討する際の前提知識として用いる。訴訟物以外の事項についても、和解条項に記載されることで、実務上は執行力を有し得ると解される根拠となる。
事件番号: 昭和40(オ)1334 / 裁判年月日: 昭和42年6月1日 / 結論: 破棄差戻
二審において、全部勝訴した当事者が、判示の記載のような請求の趣旨の拡張の申立をしたときには、実質的に附帯控訴の申立をしたものと解することができる。