判決理由参照。 参照(昭和三五年(オ)第五四号、同年一〇月七日第二小法廷判決、民集一四巻一二号二四二〇頁登載源泉徴収所得税並びに加算税決定取消請求事件)
違法公売にもとづく損害賠償
国家賠償法1条
判旨
税務当局の法令解釈が後に司法的判断により排斥されたとしても、通常公務員に要求される注意義務を尽くしていたのであれば、当該解釈に基づく賦課決定や滞納処分に国家賠償法上の過失は認められない。
問題の所在(論点)
法令の解釈に疑義がある事項について、税務当局が独自に積極的な解釈を行い処分を行った後、その解釈が司法的判断により排斥された場合、当該処分を行った公務員に国家賠償法1条1項の過失が認められるか。
規範
国家賠償法1条1項の過失の有無は、公務員に通常要求される注意義務を尽くしたか否かによって判断される。法令の解釈が微妙な事実認定や専門的な法律判断を要する場合、税務当局が通常公務員に要求される注意義務を尽くして法令を解釈し、これに基づく通達に従って処分を行ったのであれば、後にその解釈が誤りであると判断されても、直ちに過失があったとはいえない。
重要事実
上告人は株主優待金を受け取っていたが、税務当局はこれを所得税法上の「利益配当」に該当すると判断。税務当局は専門的な法律判断を経て、通常公務員に要求される注意義務を尽くして積極的な解釈を行い、当該解釈に基づく通達を発出した。その後、この通達等に基づき上告人に対し更正決定(本件各決定)および滞納処分(換価処分)を行った。上告人は、税務当局の法令解釈に誤りがあり、また立法による解決を待たずに徴税措置を講じた点に過失があるとして国家賠償を請求した。
あてはめ
まず、株主優待金の性格は微妙な事実認定と専門的判断を要する事項であった。税務当局は通常公務員に要求される注意義務を尽くしてこれを解釈し、通達を発した上で処分に及んでいる。当局が最終的に自己の解釈が否定されることを認識できたとは断定できず、法令解釈の誤りをもって一概に過失とはいえない。また、滞納処分時において賦課処分は未だ取り消されておらず、手続上も違法はなく、執行を停止すべき特段の事情もなかった。したがって、徴税手続を完了したこと自体にも過失は見出せない。さらに、立法による解決を先行させるべきであったとする立法義務違反の主張も採用できない。
結論
税務当局に過失があるとは認められないため、国家賠償請求は棄却される。
実務上の射程
行政庁の法令解釈が後に裁判所で否定された場合の国賠法上の過失を否定したリーディングケースである。答案では、公務員の注意義務の基準を「職務上通常尽くすべき注意」とし、解釈の困難性や当時の公権力行使の正当な根拠(通達の存在等)を考慮する際の規範として活用する。
事件番号: 昭和42(オ)692 / 裁判年月日: 昭和46年6月24日 / 結論: 棄却
未登記立木に対する強制執行は、民訴法六二五条に基づき、立木を伐採する権利を差し押え、これを換価する方法によるべきである。