商品商場における売買取引の委託契約について、限月一一月の先物取引として約定されたことが認定判示されている以上、その当月である一一月末日限り売買差金および約定手数料の清算をして決済すべき約定であつたことが明確に認定判断されているものと解される。
限月一一月の先物取引として約定されたことの解釈
商品取引所法第9章
判旨
商品先物取引において、限月を定めて委託契約が締結された場合、契約当月の末日限りで売買差金および手数料の清算をして決済すべき約定があったものと解するのが相当である。
問題の所在(論点)
特定の限月を定めた先物取引委託契約において、委託者の意思に基づく手仕舞いがない場合であっても、限月の到来をもって売買差金等の清算義務が発生するか。
規範
商品先物取引の委託契約において、特定の限月が約定されている場合には、特段の事情がない限り、その期限(限月の末日)において売買差金および約定手数料を清算し、決済を行う義務が発生する。
重要事実
上告人は、昭和38年11月を限月とする先物取引の委託契約を締結した。同月末日の経過により、売買差金(損金)および約定手数料の合計として255,750円の清算金が生じた。上告人は、委託者の申出による手仕舞いがない限り支払義務は生じない等と主張して、支払義務の存否を争った。
事件番号: 昭和43(オ)852 / 裁判年月日: 昭和43年12月20日 / 結論: 棄却
商品の清算取引において、仲買人は、委託者が追証拠金を預託する意思のないことが明白なときは、特段の事情のないかぎり、東京穀物商品取引所受託契約準則第八条第三項所定の期限まで待つことなくただちに手仕舞をすることができる。
あてはめ
本件売買取引の委託契約は「限月11月の先物取引」として約定されている。この場合、契約の性質上、契約当月である昭和38年11月末日をもって取引を完結させ、発生した売買差金および約定手数料を清算すべき期限であると解される。したがって、委託者による個別の手仕舞いの申出の有無にかかわらず、当該期限の到来をもって確定した清算金額の支払義務が認められる。
結論
限月の到来により清算義務は確定するため、上告人は約定された清算金額を支払う義務を負う。
実務上の射程
先物取引における「期限(限月)」の法的性質を明らかにした事例。答案上は、明示的な手仕舞約款がない場合でも、限月の定めがあればその終了時に清算義務が当然に発生するという論理構成の根拠として活用できる。
事件番号: 昭和47(オ)334 / 裁判年月日: 昭和50年7月15日 / 結論: 棄却
商品の先物取引において、仲買人は、商品の売付け又は買付けの委託を受けた場合に、取引が終了するまでは、反対売買等につき新たな合意を要することなく、委託者の指図に従う義務がある。
事件番号: 昭和48(オ)910 / 裁判年月日: 昭和49年7月19日 / 結論: 棄却
一、商品取引員が商品取引所法九一条一項に違反して営業所以外の場所で取引の委託を受けても、同条項は商品取引員に対する訓示的規定たるにすぎないから、右違反は、受託契約の効力を左右しない。 二、商品取引員が商品取引所法九四条一項一号に違反して不当な委託勧誘をなし、それによつて成立した受託契約であつても、右契約が商品取引に経験…