第一審における口頭弁論の結果の陳述がないままされた第二審判決には、民訴法第三九五条第一項第一号所定の違法がある。
第一審における口頭弁論の結果の陳述がないままされた判決の違法
民訴法377条,民訴法395条
判旨
控訴審において第一審の口頭弁論の結果が陳述されないまま判決がなされた場合、当該判決は判決に関与できない裁判官によってなされたものとして、絶対的上告理由(民訴法312条2項1号)に該当する。
問題の所在(論点)
控訴審において第一審の口頭弁論の結果の陳述を欠いたまま判決をすることが、民事訴訟法395条1項1号(現312条2項1号)の絶対的上告理由に該当するか。
規範
控訴審は続審制をとるため、第一審の口頭弁論の結果は控訴審の口頭弁論において陳述されることを要する(民訴法297条、161条等)。この手続を欠いたままなされた判決は、「法律に従って判決裁判所を構成しなかった」のと同等の瑕疵、すなわち「判決に関与することができない裁判官が判決をした」(民訴法312条2項1号)ものと解される。
重要事実
控訴審である原審において、第一審における口頭弁論の結果が陳述された形跡が記録上認められないまま、原判決が言い渡された。
あてはめ
本件では、原審において第一審の口頭弁論の結果が陳述された形跡が認められない。この場合、原判決は判決の基本たる口頭弁論に関与しない裁判官によってなされたものといえる。したがって、民訴法395条1項1号(現312条2項1号)の「判決に関与することができない裁判官が判決をしたとき」に該当する重大な手続違背がある。なお、これは職権調査事項にあたる。
結論
原判決には絶対的上告理由があるため、原判決を破棄し、本件を控訴審に差し戻す。
実務上の射程
控訴審における続審制の維持という観点から、第一審の結果を取り込む手続の不可欠性を示している。答案上は、訴訟手続の重大な瑕疵(特に口頭弁論原則の遵守)が問題となる場面で、絶対的上告理由の例示として活用し得る。実務上は、控訴審第1回期日における「第一審の結果を陳述します」という定型的なやり取りの法的重要性を担保する判例である。
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