判旨
控訴審において当事者双方が第一審における口頭弁論の結果を陳述した場合には、第一審における証拠調べの結果は当然に控訴審においても効力を有する。また、控訴裁判所は、第一審における証人の再尋問の申出に応ずべき義務を負うものではない。
問題の所在(論点)
控訴審において、第一審における証拠調べの結果をそのまま認定資料に供することの可否、および控訴裁判所による第一審証人の再尋問義務の有無が問題となった。
規範
控訴審において当事者が第一審における口頭弁論の結果を陳述したときは、第一審における証拠調べの結果は控訴審の審理においてもそのままその効力を保有する(旧民訴法379条、現行民訴法297条参照)。また、証拠の採否及び取捨判断は裁判所の専権に属し、控訴裁判所は第一審で尋問済みの証人を再尋問すべき義務を負わない。
重要事実
上告人らは、第一審における証人Dの証言を原審(控訴審)が認定資料としたことを違法であると主張した。また、原審において第一審における証人の再尋問を求めたものの、原審がこれに応じなかった点についても不服を申し立てた。なお、原審の第一回口頭弁論期日において、当事者双方により第一審における口頭弁論の結果が陳述されていた。
あてはめ
本件では、原審の第一回口頭弁論期日において当事者双方が第一審の弁論結果を陳述している。そのため、旧民訴法379条に基づき、第一審での証人Dの証言は原審においても効力を有しており、これを認定資料とすることに違法はない。また、再尋問については裁判所の証拠採否の専権に属する事項であり、申出に応じなかったことも適法といえる。
結論
原審が第一審の証拠を認定の資料に供したことは適法であり、再尋問の義務も負わない。したがって、本件上告は棄却される。
実務上の射程
控訴審の続審的性格を規定する民訴法297条(旧379条)の解釈として、第一審の証拠調べ結果の承継を認める実務上の基本原則を示す。答案上では、控訴審における事実認定のプロセスを論じる際の根拠として活用できる。
事件番号: 昭和31(オ)613 / 裁判年月日: 昭和32年12月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】当事者が主張していない法的な構成(問屋類似行為)について、裁判所が釈明権を行使してその主張を促す義務があるとはいえない。当事者が主張する媒介または代理の事実に基づき、契約の成立を認めた原審の判断に違法はない。 第1 事案の概要:上告人は、被上告人の媒介または代理行為によって上告人とDセメント株式会…