札幌市中小企業設備合理化促進条例により、市長から機械等の使用許可を受けた者と市との間に成立するのは割賦払約款附売買であり、その者の納付する普通使用料は、売買代金の一部を構成するものとして、使用中の機械等の当該事業年度における減価償却の限度においてのみ損金に計上することが許される。
札幌市中小企業設備合理化促進条例に基づく普通使用料の性質
旧法人税法(昭和22年法律第28号)9条,地方自治法14条
判旨
市条例に基づく機械等の使用許可は、その実態が代金完済まで所有権を留保する割賦販売にあたるため、納付した使用料は売買代金の性質を有し、減価償却費の限度でのみ損金算入が認められる。
問題の所在(論点)
市条例に基づく「使用許可」という公法上の形式をとる法律関係が、所得金額の計算において、賃貸借(使用料全額損金)か、あるいは所有権留保付割賦販売(代金として減価償却制限受ける)のいずれに該当するか。
規範
契約の法的性質の判断にあたっては、形式的な名称にかかわらず、当該制度の目的、対価の算定根拠、期間設定と耐用年数の関係、及び権利移転の態様といった実態に即して判断すべきである。特に所有権留保付割賦販売と解される場合、支払われる金員は資産の取得価額を構成する売買代金としての性格を有し、税務上、その全額を当然に損金とすることはできず、減価償却の制限を受ける。
重要事実
上告人は、市条例に基づき機械等の使用許可を受け、「普通使用料」を支払っていた。当該条例は、中小企業の設備近代化を目的とし、使用料は市による機械買入代金の分割弁済(元本)と未回収分に対する利息の性質を有していた。また、全額完済時に所有権が移転する定めがあり、使用期間は耐用年数より短く更新制度もなかった。上告人は、支払った使用料全額を損金算入して申告したが、課税当局はこれを割賦販売代金とみなし、減価償却費相当額を超える部分を否認する更正処分を行った。
あてはめ
まず、本件使用料のうち普通使用料は機械買入代金の分割弁済であり、特別使用料は利息の性質を有していることから、対価の性質は売買代金そのものである。次に、耐用年数に比して短い使用期間や更新の欠如は、賃貸借に予定される返還を前提とせず、完済による所有権移転を目的としている。さらに、取消時の清算規定も減価分を補填する趣旨であり、善管注意義務等の存在も所有権留保付売買と矛盾しない。したがって、本件関係は実質的に割賦販売であるといえる。
結論
本件使用許可は所有権留保付割賦販売にあたる。したがって、普通使用料は売買代金の一部を構成し、減価償却額の限度でのみ損金算入を認めた更正処分は適法である。
実務上の射程
法人税法上の損金の帰属や資産計上の判断において、契約の形式的名称(使用許可・賃貸借)よりも、経済的実態(代金回収・所有権移転の確実性)を重視して法的性質を決定する基準として機能する。リース取引の売買判定等、実質課税原則が強く働く場面での論証に有用である。
事件番号: 昭和43(行ツ)25 / 裁判年月日: 昭和46年11月9日 / 結論: 棄却
利息制限法による制限超過の利息・損害金は、その約定の履行期が到来しても、なお未収であるかぎり、旧所得税法(昭和二二年法律第二七号)一〇条一項にいう「収入すべき金額」に該当せず、課税の対象となるべき所得を構成しない。
事件番号: 平成11(行ヒ)182 / 裁判年月日: 平成15年7月18日 / 結論: 破棄差戻
固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成10年自治省告示第87号による改正前のもの)が定める標準家屋の再建築費評点数に比準して家屋の再建築費評点数を付設する方法及び同評点数に乗ずべき経過年数に応ずる減点補正率並びに同基準に基づいて自治大臣が指示した評点1点当たりの価額に一般的な合理性があるという事情の下に…
事件番号: 昭和41(行ツ)44 / 裁判年月日: 昭和45年10月23日 / 結論: 破棄差戻
借地権の設定に際して土地所有者が支払を受ける権利金は、その設定契約において長期の存続期間を定め、かつ、借地権の譲渡性を承認する等所有者が当該土地の使用収益権を半永久的に手離す結果となる場合に、その対価として更地価格のきわめて高い割合にあたる金額の支払を受けるというような、明らかに所有権の権能の一部を譲渡した対価としての…