試掘権者との契約の相手方において探炭の結果石炭の産出が確認された場合には試掘権者より通商産業局に対し採掘権に転願したうえ相手方のために租鉱権を設定する旨の約定がなされた等原審認定の事実関係(引用の第一審判決理由参照)のもとにおいては、鉱業法第七条の違反があるものとは認められない。
鉱業法第七条違反が認められないとされた事例
鉱業法7条,鉱業法11条,鉱業法13条
判旨
債務不履行に基づく損害賠償責任の成否に関し、原審の認定した事実関係及び証拠の取捨選択に不合理な点はなく、特段の違法は認められない。また、控訴審判決において第一審判決の事実及び理由を引用することは民事訴訟法上適法である。
問題の所在(論点)
1. 原審による「租鉱権設定契約」という文言の使用や証拠の取捨選択に、判決に影響を及ぼす違法があるか。 2. 控訴審判決において第一審判決の事実及び理由を引用することは適法か。
規範
債務不履行に基づく損害賠償請求が認められるためには、債務の発生原因となる契約の存在、当該債務の不履行、及びそれによって生じた損害の立証を要する。また、控訴審判決における理由の記載については、民事訴訟法の規定(旧民訴法391条、現行民訴法305条・281条等参照)に基づき、第一審判決を引用する手法が許容される。
重要事実
上告人(被告)と被上告人(原告)との間において、鉱業権に関連する何らかの合意(原判決では「租鉱権設定契約」と表現されたもの)が存在した。被上告人は、上告人に債務不履行があったとして損害賠償を請求した。第一審及び控訴審は、証拠に基づき債務不履行の事実を認定し、賠償義務を認めた。これに対し、上告人は採証法則の違反や、施業案の受理に関する事実誤認、鉱業法7条違反、及び控訴審判決の理由不備(第一審引用の不当性)を主張して上告した。
あてはめ
1. 契約の名称について「租鉱権設定契約」との表現は措辞として妥当を欠く面はあるが、認定された事実関係全体に照らせば、債務不履行に基づく賠償義務を認めた判断は正当である。 2. 証拠の取捨選択や施業案の受理に関する認定は、原審の裁量権の範囲内であり、不合理とはいえない。 3. 控訴審が第一審判決の事実及び理由を引用することは、民事訴訟法(旧391条)により明示的に認められており、適法な判決構成である。
結論
上告棄却。上告人の債務不履行に基づく損害賠償義務を認めた原判決は正当であり、控訴審の判決手続にも違法はない。
実務上の射程
実務上、控訴審が第一審判決を引用することの適法性を確認した事例。また、判決文中の用語(契約名称等)に多少の不適切さがあっても、実体的な権利義務関係の認定が正当であれば判決の結果に影響しないという判断枠組みを示している。
事件番号: 昭和36(オ)269 / 裁判年月日: 昭和37年7月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】和解条項の履行につき信義則上の義務に違背するか否かの判断において、和解成立に至るまでの事情を斟酌することは正当である。和解成立の経緯は、履行の際に要求される信義則上の誠実義務の程度を左右する重要な判断要素となる。 第1 事案の概要:上告人と被上告人との間で和解契約が成立したが、その後、被上告人が本…