補助参加人が上告を申立て被参加人が上告審において何ら訴訟行為をしていない場合上告棄却の結果上告費用を敗訴者負担とするにつき、これを上告人の負担とした事例。
補助参加人の申立てた上告と上告費用の負担
民訴法89条,民訴法94条
判旨
認知請求訴訟において、血液型検査の結果は父子関係を認定するための有力な間接事実の一つではあるが、その存在が父子関係確定の絶対不可欠の要件であるとは解されない。
問題の所在(論点)
認知請求訴訟において、父子関係を肯定するために、血液型検査による父子間の矛盾の有無の確認(血液検査結果の存在)が絶対不可欠な要件となるか。
規範
認知請求訴訟(民法787条)における父子関係の存否は、自由心証主義(民事訴訟法247条)に基づき、提出された証拠を総合して判断されるべき事柄である。血液型検査の結果による矛盾の有無は有力な証拠資料となり得るが、それはあくまで一つの間接事実に過ぎず、血液検査の実施やその結果の存在が、父子関係を認定するための法的または絶対的な不可欠要件となるものではない。
重要事実
原告(被認知者)らがDとの間の父子関係を主張して認知を求めた事案。第一審および控訴審は、血液型検査の結果が存在しない状況下であっても、他の証拠資料に基づきDと原告らとの間の父子関係を肯定した。これに対し上告人側は、父子関係の確定には血液検査の結果が不可欠である旨を主張して上告した。
あてはめ
判旨によれば、父子間における血液型の矛盾の有無は認知請求訴訟における一つの間接事実に過ぎないと解される。本件において、血液検査成績が証拠資料として存在しないとしても、直ちに父子関係の存在を否定しなければならない理由にはならない。過去の判例も血液検査を「一資料」とはしているが、これを「絶対不可欠の要件」としたものではない。したがって、他の証拠によって父子関係が認定できるのであれば、血液検査の結果がなくとも父子関係を肯定する判断は正当である。
結論
血液検査の結果は父子関係確定の絶対不可欠の要件ではない。よって、血液検査なしに父子関係を認めた原審の判断に違法はなく、上告は棄却されるべきである。
実務上の射程
認知請求等の親子関係訴訟において、科学的証拠(DNA鑑定や血液検査)が極めて重要であることは否定されないが、実務上、相手方の協力が得られない場合や試料がない場合でも、他の間接事実(交際事実、母の懐胎可能性等)の積み重ねによって親子関係を認定できる余地を残す射程を持つ。もっとも、現代の実務ではDNA鑑定が可能な限り優先されるため、本判例はあくまで「証拠の評価に関する自由心証の限界」を示す理論的根拠として位置づけられる。
事件番号: 昭和33(オ)166 / 裁判年月日: 昭和33年12月25日 / 結論: 棄却
認知の訴において父子関係存在の認定の資料とされた鑑定の結果中、ABO式血液型に関する鑑定部分が不十分なものであつても、MN式血液型、S式血液型、指紋掌紋等による鑑定部分によりその認定を首肯できるときは、その採証につき判決に影響をおよぼすべき違法があるものとは言えない。