民訴法第一八七条第二項の手続を履践すべき場合、当事者の一方が口頭弁論期日に欠席したときは、裁判長は出頭した一方の当事者をして、当事者双方にかかる従前の口頭弁論の結果を陳述させることができる。
当事者一方の不出頭の弁論の更新
民訴法187条2項
判旨
裁判官の更迭により弁論の更新(民訴法249条2項)が必要な場合において、当事者の一方が期日に欠席したときは、裁判長は出席した他方の当事者に双方の従前の弁論結果を陳述させることができる。
問題の所在(論点)
裁判官の更迭に伴う弁論の更新手続において、当事者の一方が欠席している場合に、出頭した当事者のみに双方の弁論結果を陳述させる手法は適法か(現行民事訴訟法249条2項の運用)。
規範
民事訴訟法249条2項(旧187条2項)に基づく弁論の更新手続を履践すべき場合において、当事者の一方が口頭弁論期日に欠席したときは、裁判長は出頭した一方の当事者をして、当事者双方にかかる従前の口頭弁論の結果を陳述させることができると解する。
重要事実
控訴審の第2回口頭弁論期日において、控訴人およびその代理人は不出頭であったが、被控訴人の代表者は出頭した。また、第1回口頭弁論に関与した裁判官のうち1名に更迭があったため、弁論の更新が必要な状況であった。裁判長は、出頭した被控訴人代表者に対し、当事者双方の従前の口頭弁論の結果を陳述させた。
あてはめ
本件では、第1回口頭弁論後に裁判官の更迭が生じており、直接主義の観点から弁論の更新が必要であった。この際、控訴人側が欠席していたが、裁判長は出席した被控訴人代表者にのみ従前の弁論結果を陳述させている。これは、欠席した当事者の陳述権を不当に奪うものではなく、訴訟遅延を防止しつつ更新手続を実質化する合理的な手法といえる。したがって、第2回口頭弁論調書に記載された当該手続は適法である。
結論
原審の手続に違法はなく、一方当事者の陳述による弁論の更新は有効である。
実務上の射程
判決に関与する裁判官が交代した際の「弁論の更新」の実務的運用を画したものである。当事者の片方が欠席していても、もう一方が従前の主張・立証の結果を概括的に陳述(更新陳述)すれば、更新手続として充足されることを認めており、訴訟経済の観点から重要である。
事件番号: 昭和39(オ)860 / 裁判年月日: 昭和42年3月28日 / 結論: 棄却
一 約束手形が書替えられた場合において、旧手形に基づく債務が消滅しないときは、手形の所持人は、新旧いずれの手形によつても手形上の権利を行使することができる。 二 約束手形の書替をした者が、新旧いずれか一方の手形による手形金請求を受けた場合には、右手形振出人は、新旧両手形をともに返還すべきことを請求することができる。
事件番号: 昭和29(オ)285 / 裁判年月日: 昭和31年4月13日 / 結論: 棄却
一 民訴第一八七条第二項の手続を履践すべき場合、当事者の一方が口頭弁論期日に欠席したときは、裁判長は出頭した当事者に双方に係る従前の口頭弁論の結果を陳述させることができる。 二 裁判官の更迭があつた場合、口頭弁論調書に、当事者の一方だけが出頭し「前回までの口頭弁論調書にもとづいて従前の口頭弁論の結果を陳述」したとの記載…