判旨
当事者の一方が欠席した口頭弁論期日においても、裁判官の更迭に伴う弁論の更新手続を行い、出席した当事者が従前の口頭弁論の結果を陳述した上で弁論を終結することは適法である。
問題の所在(論点)
当事者の一方が欠席した期日において裁判官の更迭が生じた場合、出席した当事者のみによる弁論の更新および弁論の終結が可能か(旧民事訴訟法203条、現行民事訴訟法249条2項の趣旨)。
規範
裁判官の更迭があった場合、当事者は従前の口頭弁論の結果を陳述すること(弁論の更新)を要する。当事者の一方が適法な呼出しを受けながら期日に出頭しない場合であっても、裁判長が更新手続を命じ、出席した当事者が従前の弁論結果を陳述することによって、手続的な瑕疵なく弁論を終結することができる。
重要事実
第一審の第九回口頭弁論期日において、上告人(被告)およびその代理人は適法な呼出しを受けたにもかかわらず出頭しなかった。当該期日において裁判官の更迭があったため、裁判長は口頭弁論の更新手続を命じた。出席していた被上告人(原告)が従前の口頭弁論の結果を陳述し、同日中に弁論が終結された。上告人はこの手続の違法を主張して上告した。
あてはめ
本件では、上告人側は合式の呼出しを受けながら出頭しておらず、欠席による不利益を甘受すべき立場にある。期日において裁判長が更新手続を命じ、出席した被上告人が従前の口頭弁論の結果を陳述したことは、裁判官に直接主義の要請を満たす心証形成の機会を与えるものである。したがって、一方当事者の欠席下で行われた更新手続および弁論終結に違法な点は認められない。
結論
一方当事者が欠席した期日における弁論の更新および終結は適法であり、原審の判断に違憲・違法はない。
実務上の射程
裁判官の更迭に伴う弁論の更新において、欠席した当事者がいる場合でも出席当事者の陳述によって手続を続行できることを確認した事例である。司法試験においては、直接主義(249条1項)の例外としての弁論の更新(同2項)の解釈や、欠席判決に至る手続の適法性を論じる際の論拠として活用できる。
事件番号: 昭和42(行ツ)13 / 裁判年月日: 昭和43年6月21日 / 結論: 棄却
仮執行宣言付判決による仮執行の免脱のために供された担保は、その判決の確定に至るまで、勝訴原告が仮執行をすることができなかつたことによつて被ることのあるべき損害のみを担保し、本案の請求までも担保するものではない。
事件番号: 昭和29(オ)285 / 裁判年月日: 昭和31年4月13日 / 結論: 棄却
一 民訴第一八七条第二項の手続を履践すべき場合、当事者の一方が口頭弁論期日に欠席したときは、裁判長は出頭した当事者に双方に係る従前の口頭弁論の結果を陳述させることができる。 二 裁判官の更迭があつた場合、口頭弁論調書に、当事者の一方だけが出頭し「前回までの口頭弁論調書にもとづいて従前の口頭弁論の結果を陳述」したとの記載…