境界査定処分により所有地の面積が約四分の一に減少しても、 右査定処分は、当然無効とならない。
境界査定処分が当然無効でないとされた事例。
判旨
行政処分に重大かつ明白な瑕疵がない限り、法定の期間内に不服申立てがなされなかった処分は確定し、当然無効とは認められない。
問題の所在(論点)
法定期間内に不服申立てがなされなかった行政処分(境界査定処分)について、当然無効と認められるための要件、および本件処分が無効といえるか。
規範
行政処分が当然無効とされるためには、その瑕疵が重大かつ明白であることを要する。適法な手続を経て行われた処分に対し、法定期間内に不服申立て(訴願等)がなされず、かつ当然無効といえるほどの重大明白な瑕疵が認められない場合には、当該処分によって生じた法的効果は確定する。
重要事実
宮城大林区署が管理する国有林野に隣接する土地(字ab番のc)について、所定の手続を経て境界査定処分が行われた。この処分に対し、上告人側は法定の期間内に訴願の申立てを行わなかった。その後、上告人側は事実関係の誤認等を理由に当該処分の無効を主張して争った。
あてはめ
本件では、原判決の確定した事実によれば、境界査定処分は所定の手続を経て行われており、これに対して法定期間内に訴願の申立てがなされていない。上告人が主張するような事実があったとしても、それだけでは当該処分に重大かつ明白な瑕疵があるとはいえず、公定力ないし不可争力が生じたものと評価される。したがって、境界は処分時に示された線に確定しているといえる。
事件番号: 昭和28(オ)1007 / 裁判年月日: 昭和31年5月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】行政処分に瑕疵がある場合でも、その瑕疵が重大かつ明白でない限り、処分は当然無効とはならず、出訴期間経過後はその効力を争うことができない。住所地の判定が困難な状況下で行われた不在地主としての農地買収処分は、事後的に在村地主と判明しても当然無効には当たらない。 第1 事案の概要:上告人は、自作農創設特…
結論
本件境界査定処分は当然無効とはいえず、法定期間の経過により境界を確定させる効力を有する。上告を棄却する。
実務上の射程
行政処分の公定力と不可争力を前提に、当然無効となる瑕疵の程度を限定的に解する実務上の基本原則を示すものである。答案上は、処分の効力を争う場面において、不服申立期間を経過した後の救済手段としての『当然無効』のハードルの高さを示す際に引用すべき判例である。
事件番号: 昭和35(オ)248 / 裁判年月日: 昭和36年4月21日 / 結論: 棄却
行政処分無効確認訴訟は国家賠償請求の目的で提起されたものであるからといつて、処分庁が右処分を取り消した後においても、なおその法律上の利益があるということはできない。
事件番号: 昭和32(オ)1158 / 裁判年月日: 昭和36年4月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】行政処分に法令の定める除外事由に該当する土地を買収したという違法があっても、直ちに当然無効となるわけではなく、その瑕疵が重大かつ明白である場合に限り無効となる。 第1 事案の概要:本件土地は、客観的には旧自創法5条5号に該当し、本来であれば買収から除外されるべき土地であった。しかし、処分庁は同号の…