司法警察職員がその管轄区域内で関税法第一一二条の賍物罪の捜査を進めた結果、その本犯についても捜査をする必要が生じたときは、当該司法警察職員は、警察法第六一条第一項の適用上、管轄区域外でも、その本犯の捜査をすることができる。
警察法第六一条第一項の解釈。
警察法61条1項,刑訴法9条2項
判旨
司法警察職員は、管轄区域内で発生した容疑がある犯罪の捜査に必要である限り、警察法61条1項に基づき、管轄区域外においても適法に捜査を行うことができる。
問題の所在(論点)
警察法60条1項が都道府県警察の職務執行区域を当該都道府県に限定する中で、同法61条1項の「必要な限度」において、司法警察職員が管轄区域外で捜査を行うことの可否が問題となった。
規範
警察法61条1項の適用上、司法警察職員の職務執行区域は、犯罪捜査に関する限り、裁判所や検察官の管轄区域と関連性を有する。管轄区域内の犯罪と客観的関連性(刑訴法9条2項)がある事件、または管轄区域内での捜査に必要と認められる限度においては、管轄区域外での捜査も適法である。
重要事実
愛知県の司法警察職員は、管轄区域内で関税法112条(賍物罪)が発生した容疑があると思料し、その捜査を進めていた。その際、当該捜査に必要の限度において、愛知県外の管轄区域外で本件捜査を実施した。上告人らは、この管轄区域外での捜査が違法であると主張して争った。
あてはめ
本件では、愛知県警察が管轄区域内の賍物罪の捜査を端緒としていた。賍物に関する罪とその本犯の罪は、刑訴法9条2項により客観的関連事件とされており、捜査上の密接な関連が認められる。このような捜査の経緯および諸般の事情に照らせば、本件の管轄外捜査は捜査に必要の限度におけるものといえ、警察法61条1項により許容される範囲内にあると解される。
結論
愛知県司法警察職員による管轄区域外での捜査は、警察法61条1項に基づき適法である。
実務上の射程
司法警察職員の職務執行区域の例外を認めた判例。答案では、管轄外捜査の適法性を問われた際、①管轄内事件との関連性、②捜査上の必要性を具体的事実(本犯と賍物犯の関係等)から摘示し、警察法61条1項を根拠に結論付ける際に用いる。
事件番号: 昭和38(オ)660 / 裁判年月日: 昭和38年10月24日 / 結論: 棄却
不当な判決を請求原因として国家賠償法に基き損害の賠償を求めるには、裁判官が職務上の義務に違反し又はその職権を乱用して他人に損害を加えた事実をも主張しなければならない。