農地買収計画の適否は、当該計画樹立当時の状況において判断すべきである。
農地買収計画の適否を判断すべき時点。
自作農創設特別措置法5条5号
判旨
行政処分である農地買収計画の適否は、処分の現況によって判断すべきではなく、買収計画を樹立した当時の状況を基準として判断すべきである。
問題の所在(論点)
旧自作農創設特別措置法に基づく農地買収計画の適否(適法性)を判断する基準時期は、いつ時点の状況を基準とすべきか。
規範
行政処分の適法性は、原則として処分時(本件では買収計画の樹立当時)の事実状態および法令に基づいて判断されるべきであり、その後の事後的な状況の変化によって遡及的に左右されるものではない。
重要事実
上告人は、旧自作農創設特別措置法に基づきなされた本件土地の買収計画について、土地の現況等を理由にその違法を主張して争った。原審は、昭和22年当時の状況に基づき、本件土地が「近く土地使用の目的を変更するを相当とする農地(同法5条5号)」に該当すると認定し、計画を適法とした。
あてはめ
事件番号: 昭和25(オ)383 / 裁判年月日: 昭和28年12月28日 / 結論: 棄却
自作農創設特別措置法第三条第一項または同条第五項の特定の号に該当するものとして定められた農地買収計画を、訴願裁決で右農地は右特定の号にはあたらないが、同項の他の号に該当するものとして維持することはゆるされない。
最高裁は、買収計画の適否は「計画樹立当時の状況において判断すべき」との立場を示した。本件土地が昭和22年当時において、法律上の除外事由(5条5号)に該当するか否かは、その時点の客観的状況に照らして判断されるべきであり、判決時の土地の現況によって判断しているわけではないとした原審の判断を正当とした。
結論
買収計画の適否は計画樹立当時の状況を基準に判断すべきであり、原審に解釈適用の誤りや審理不尽はないとして、上告を棄却した。
実務上の射程
行政処分の違法性の判断基準時(処分時基準)に関するリーディングケースの一つである。答案上は、処分後に生じた事情を考慮して処分の適否を争う主張に対し、本判例を根拠に「処分当時の状況」に限定して適法性を検討する枠組みとして活用する。
事件番号: 昭和28(オ)241 / 裁判年月日: 昭和32年2月7日 / 結論: その他
自作農創設特別措置法第六条の二第二項第一号に該当する農地は、他の農地を遡及買収する場合でも在村地主の小作地保有面積の計算上小作地に算入することはできない。
事件番号: 昭和27(オ)1100 / 裁判年月日: 昭和30年4月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】行政庁の裁量権の有無及び範囲は、根拠規定が客観的な判断基準を示しているか否かにより区別され、基準がない場合は政策的考慮に委ねられた自由裁量となる一方、基準がある場合はその基準への該当性に関し裁判所の審査が及ぶ。 第1 事案の概要:上告人は、自作農創設特別措置法(以下「法」という)に基づき、本件土地…