昭和二三年二月七日物価庁告示第八八号による「叺つき生澱粉」の叺の統制価格は、生澱粉の正味一〇貫につき一八円の割合と解するのを相当とし、必ず一〇貫入り叺の場合のみ統制に服すると解すべきではない。
昭和二三年二月七日物価庁告示第八八号による「叺つき生澱粉」の叺の統制価格。
昭和23年2月7日物価庁告示88号
判旨
行政官庁による価格告示の解釈において、告示上の単価設定が特定の包装単位に限定されない合理的な解釈が可能であるならば、その解釈に基づく事実認定及び法令適用は適法である。
問題の所在(論点)
物価庁告示に定められた価格基準(正味10貫につき一定額)が、その数値と異なる容量の容器による取引に対しても、算定の基礎となる「割合」として適用されるか。また、その解釈に基づく事実認定が適法か。
規範
行政告示(物価庁告示等)の解釈にあたっては、その文言の趣旨に照らし、特定の数値や単位が限定的な条件(例:特定の重量の容器のみに適用される等)を示すものか、あるいは算定の基準となる割合を示すものかを判断すべきである。また、事実認定については、証拠関係に照らし合理的な範囲内であれば、事実審の裁量に委ねられる。
重要事実
上告人は、生澱粉2,025貫(叺入り)の価格算定について争った。物価庁告示第88号は、生澱粉の正味10貫につき18円の割合で叺(かます)の値段を定めていた。上告人は、この規定が「10貫入りの叺」の場合に限定して適用されるべきであると主張したが、原審は「15貫入りの叺」であっても右の割合に基づき算定できると判断した。
あてはめ
本件告示は、生澱粉の正味10貫につき18円という単価を示している。これは、必ずしも10貫入りの容器である場合にのみ適用を限定する趣旨ではなく、容器の容量にかかわらず、内容物の重量に応じた価格算定の「割合」を示すものと解するのが相当である。したがって、15貫入りの叺を用いた本件取引において、右割合に基づき叺の値段を算出した原判決の判断は、告示の合理的な解釈に基づくものであり正当である。また、証拠関係から叺付きであったと認めた認定も、事実審の裁量の範囲内である。
結論
本件の価格算定における告示の解釈及び事実認定に違法はなく、上告を棄却する。
実務上の射程
行政上の価格制限等が問題となる事案において、告示上の単位が「限定的要件」か「算出の割合(単価)」かを区別する際の解釈指針となる。また、事実認定の基礎となる証拠評価が事実審の専権に属することを再確認する事例として位置づけられる。
事件番号: 昭和30(オ)427 / 裁判年月日: 昭和31年7月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判上の自白が成立した場合、その自白が錯誤に基づき、かつ、その取消しの主張立証がなされない限り、裁判所および当事者はこれに拘束される。 第1 事案の概要:上告人(買主)が被上告人(売主)に対し、売買代金の請求等に関し訴えを提起した事案。上告人は、第一審以来、本件売買の目的物件である生甘藷合計356…